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西駒山荘 荷下げ
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西駒山荘
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霧ケ峰
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涸沢
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許可ガイド運用に課題 ツアー登山人気で県外業者参入
2009/09/07 09:52
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 ツアー登山が盛んになる中、県内での山岳ガイド活動を許可制とした県条例の運用が課題になっている。ガイドが一部の人に限られていた制定当初から半世紀以上たち、中高年の登山人気もあって全国の旅行会社などが相次いで参入。一律に許可を得させるのが難しくなっているためだ。県は、北海道で今夏起きたツアー登山の大量遭難も教訓に、安全登山の実現に条例をどう生かすか、近く山岳関係者から意見を聴く。

 この条例は「県観光案内業条例」。県内で報酬を得て山岳ガイドを務めるには知事の許可が必要とし、3年ごとに更新。違反すると2万円以下の罰金などの罰則もある。

 県観光企画課によると、同条例は戦後の登山ブームに合わせ1953(昭和28)年に制定。当時は、登りたい山岳に詳しい地元の案内人を個人で雇う形が主流だった。「所定の料金以外の金品を請求しない」との条文もあり、信頼性を高め、新規参入を抑制する狙いもあったという。

 近年は中高年登山者が増加。安全確保がより求められるようになった。ガイドの質を高めようと県は2004年度から、天気図の読図や動植物の知識などの筆記と、ロープワークといった実技の試験も全県統一で導入した。

 条例に基づき許可を得たガイドは本年度、約500人で大半が県内在住。ツアー登山を企画する県外の旅行会社などへの周知は「徹底しきれていない」(観光企画課)のが現状だ。許可を得ていないガイドも少なくないとみられ、制度が有名無実化しているとの声も出ている。

 こうした中、北海道・大雪山系トムラウシ山(2141メートル)で7月、ツアー登山の18人中8人が凍死する遭難が発生。ガイドがラジオを持参せず、遭難当日の天候も2日前に携帯電話サイトで確認した予報を基に判断していたことなどが判明した。北海道警は安全管理に問題がなかったか、捜査を進めている。

 この大量遭難も踏まえ、日本山岳ガイド協会(事務局・東京)の磯野剛太専務理事は「長野県の許可制度は、登山者の安全確保の一助になる」と評価。同協会も、登山技術や関係法令などの試験を課す認定制度を運用しており、「基準が違うと登山客には分かりにくい。何らかの形で一緒にできないか」と話す。

 県山岳遭難防止対策協会講師の丸山晴弘さん(68)=長野市=は「山域ごとに精通した地元の人がガイドをするのが一番いい」との立場。「ツアー登山の参加者にも、旅行ではなく登山をするという認識を持ってもらう仕組みが必要だ」とも指摘する。

 県観光企画課は、県内の山岳ガイド組合や山小屋関係者ら条例の在り方に意見を求める方針。長谷川浩課長は「条例は登山者の安全確保に貢献してきたが、現場との矛盾点もある。どういう形がいいか検討したい」としている。



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