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「山の手帖2018」
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松本 山岳フォーラム
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浅間山噴火「系統樹」
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梓川は1万2000年前に長野側に流れ変化 信大教授ら解明
2009/08/30 11:19
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 槍ケ岳を水源とする梓川が長野県側へ流れを変えるきっかけとなった火山活動は、約1万2000年前に起きた焼岳火山群・アカンダナ山(標高2109メートル)の噴火とみられると、信大山岳科学総合研究所の原山智教授(56)が29日に松本市の信大理学部で開いた上高地談話会で報告した。大正池近くで行ったボーリング調査の結果から導いた。

 原山教授によると、梓川の上流域にしか見られない砂や石が岐阜県側に分布することから、梓川は64万年前より昔は岐阜県高山市方面へ、64万年前以降は飛騨市神岡町方面へ流れていたと考えられている=図。しかし、いつから長野県側に流れを変えたのか、詳しい経緯は不明だった。

 ボーリング調査は昨年11月から今年3月まで上高地の大正池西岸のほとりで実施。地下115~289メートルに湖だったことを示す泥が主体の層があり、その下に川が流れたことを示す石の層が見つかった。川がせき止められて湖ができたのは、堆積(たいせき)物にあった木片の年代測定から約1万2000年前と判明。このころ噴火したアカンダナ山が梓川の流れを変えた「主犯」と推論した。

 最も新しい泥の層は約7000年前で、その上には砂や石の層があった。原山教授は泥が堆積した約5000年間は一帯に18平方キロ程度の湖があったと推定。その後湖の出口が水流で削られ水面が下がり、湖は消滅。湖底が上高地になったとみている。

 原山教授は談話会で「上高地にはかつて大きな湖があり、そのおかげでスニーカーやハイヒールでも歩ける地形ができた」と話した。取材に対し「山岳地のボーリング標本は貴重。今後は平地より気候変動の影響を受けやすい当時の環境の推定にも役立てたい」と話している。


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