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霧ケ峰
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冬の上高地に入山者増加 安全は…「安易」指摘も
2009/01/24 10:25
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 冬の閉山期の北アルプス上高地(松本市)に散策や写真撮影を目的に入山するツアーや個人客らが増えている。新しい釜トンネルの開通などで近年アクセスが容易になったのが大きな要因の一つだが、上高地を管理する環境省は「安易な入山者もいる」と危機感を募らせる。一方、利用者には「入山の自由」を訴える声もある。冬の上高地のあり方をめぐり本格的な論議が必要な時期に来ている。

 「冬は来られない場所だと思っていた。素晴らしい」。神奈川県川崎市の安岡満さん(70)、玲子さん(65)夫妻は、青空に、雪化粧した焼岳や穂高連峰が輝く景色を見て声を弾ませた。

 今月上旬、東京の旅行会社が企画したツアー。ガイドの引率で中高年ら25人が釜トンネルを通って河童橋まで散策し、宿泊施設が冬季休業のため、河童橋近くの小梨平でテントに宿泊した。

 冬季用トイレの管理などのため入山する自然公園財団上高地支部の職員は「2、3年でツアーが増えた。暖かくなる2、3月の週末は特に多い」。春から秋に150万人もの観光客が押し寄せる上高地も、冬は唯一のアクセス道路の県道上高地公園線が車両通行止めとなり、かつては穂高連峰などの本格的な冬山を目指す登山者が入るだけだった。それが今や、「雪と静寂の別世界」としてあこがれになり、梓川沿いはツアー客らでにぎわう日もある。

 一方、環境省松本自然環境事務所(松本市)の大坪三好所長(53)は「安易な入山が増えている」と指摘。吹雪のため戻るよう助言しても「河童橋までは行きたい」と引き返そうとしないツアー客、釜トンネル出口で「客がいない」と戸惑うガイド-などを挙げ「目に余る実態」とする。標高1500メートルの上高地は天候の急変も珍しくなく、入山者が歩く県道沿いには雪崩の危険個所もある。同所長は「事故が起きてからでは遅い」と頭を悩ませる。

 そこで同事務所は安易な入山者を減らそうと、県に要望し、釜トンネルの照明を今季から消灯。県、松本市などと連名で昨年末、釜トンネル入り口に入山の危険を呼び掛ける看板を初めて設置した。

 入山者には「素晴らしい景色を見に行きたくなるのは当然。照明くらいつけるのが行政の責任だ」との反発もあるが、同事務所は「入山を否定するわけではないが、冬の上高地はし尿処理もできず、進んで開放しようとは考えていない」と慎重だ。

 県自然保護連盟から昨年、上高地の冬季入山者の実態把握を求められた県は「問題意識はあるが、環境省が管理するエリア。情報を共有し、対応を協議していきたい」(自然保護課)としている。



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