北アルプス上高地(松本市安曇)の観光シーズンを締めくくる閉山祭が15日、河童橋のたもとで行われた。例年に比べ穏やかな天候と土曜日という条件が重なって、300人を超える観光客が詰め掛け、自然の恵みへの感謝と来春の再会を期す行事を見守った。
実行委員長の鳥居総一郎・上高地旅館組合長は、韓国、中国、台湾からの登山、観光客の増加や、東海北陸自動車道の全通などを踏まえ、「上高地は新しい時代を迎えた。(自然や景観など)大切なものを長く伝えていきたい」とあいさつした。橋の上では、たる酒が観光客に振る舞われた。
今年の上高地の入り込みは10月末現在で約148万人(松本市安曇支所)。ガソリン高騰や景気悪化などの影響を受けたものの、夏の前半が好天に恵まれ、昨季とほぼ同じ入り込みだった。
上高地の旅館・ホテルはこの日で店じまい。釜トンネルから上高地に入る県道上高地公園線も16日から冬季閉鎖される。すっかり木の葉が落ちた梓川沿いでは、観光客が過ぎ行く季節を惜しむように、散策を楽しんでいた。