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霧ケ峰
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涸沢
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勧告方法で苦慮の白馬村 雨量による大雪渓入下山規制
2008/09/01 09:37
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 登山者2人が死亡した北アルプス白馬大雪渓上部の土砂崩落を受け、一定量の雨が降った場合に入下山の自粛を勧告する方針を打ち出した北安曇郡白馬村が、どんな形で勧告するか悩んでいる。勧告の方法によっては、これまで「登山者の自己責任」としてきた入下山の判断を、村が背負い込むことになり、何か起きた場合に責任を問われかねない恐れがあるからだ。

 白馬大雪渓は日本三大雪渓の一つで、7、8月だけで約1万人が訪れる人気ルート。崩落や落石事故が起きるたび、村観光への影響が懸念されてきた。村は、大雪渓の下の白馬尻(1、560メートル)を境に、上に向かう場合は登山、下はトレッキングと分け、登山区域に入る際は十分な装備を整えるよう看板などで呼び掛けてきた。

 それでも、落石や崩落による遭難事故は絶えない。北アルプス北部地区遭対協救助隊の降籏義道隊長は「地元外の山岳ガイドも増えており、入山判断の基準を明確に示す必要も出てきた」とする。今回の崩落事故後、専門家から大雨で土砂崩落が起きやすい地質が指摘されたこともあり、雨量による登山者の入下山規制の検討が始まった。

 同様の規制は、全国的にも「実施事例を聞いたことがない」(林野庁業務課)という。村の検討委員会は、登山口にある国土交通省設置の雨量計などのデータを基に勧告する計画で、雨量の基準や勧告方法などを練っている。

 ただ、太田紘熙村長は「村主体で大掛かりな規制をした場合、逆に重大な責任を背負い込みかねない」と懸念。例えば登山口にロープや柵を設けるような方法について、「そこまでの規制はしない」と消極的だ。周辺の山小屋で自粛を呼び掛ける方式が、現実的な案として浮かんでいる。

 登山者の入山規制は、小諸市などが、浅間山について、噴火警戒レベルに応じて登山口にロープを張ったり看板を立てたりする形で取り組んでいる事例がある。同市の担当者は「いくら規制をしても登る人はいる。できる限り情報を出して、それぞれの人に適切な判断をしてもらうしかない」と話す。

 全国的にも珍しい雨量に応じた入下山規制について、県山岳遭難防止対策協会講師の丸山晴弘さん=長野市=は「対症療法的だが、一つの手段ではある」と評価。同時に「登山者に対してより広く、山の危険性を知らせる方法も考えるべきだ」と話している。

 白馬大雪渓崩落があった19日は、現場一帯で1時間に30ミリの雨が降ったとされる。同日、白馬岳(2、932メートル)に向かった長岡工業高等専門学校(新潟県長岡市)教授の佐藤国雄さん(62)は依然、行方が分かっていない。大雪渓ルートは、専門家らが崩落現場を視察した後、早ければ9月上旬にも再開する見通しだ。その際、自粛を勧告する態勢に入るかどうかはまだ決まっていない。



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