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上高地と槍・穂高連峰の調査 地質・気象・生態系柱に
2008/01/30 09:44

 信大(本部・松本市)の山岳科学総合研究所が、北アルプスの上高地や槍・穂高連峰で行う大規模な調査研究事業の計画が、29日までに固まった。戦後、動植物の分布や気象観測など体系だった学術調査があまり行われてこなかったという一帯で、来年度から5年かけて、地質、気象、生態系を柱に基礎データを蓄積。自然環境保護への提言につなげる考えだ。

 事業は松本市と共同で行い、同研究所や信大各学部から研究者約70人が参加。最初の3年間でデータを集め、残り2年間は市民らも加わり環境保護の方策などを探る。5年間で約2億3000万円の予算を見込んでいる。

 上高地は特別名勝・特別天然記念物で、自然公園法に基づく特別保護地区。槍・穂高連峰は中部山岳国立公園に含まれ、それぞれ調査活動も制限されてきた。鈴木啓助・同研究所長によると、調査申請の手続きには数カ月から1年近くかかり、「戦後は研究が進まなかった。動植物や気象など基礎的なデータは乏しい」という。

 昨年5月、信大が上高地に同研究所の拠点施設を開設したのを機に、一帯の本格調査を計画。同研究所が各研究の申請手続きを行い、文部科学省の補助金を受ける見通しが立った。

 地質調査は、焼岳の噴火で梓川がせき止められてできた大正池近くを約250メートルボーリング。上高地の成り立ちや火山活動の歴史、2万年以上前からの環境変化なども調べる。

 気象観測は、山岳地域の気温や降水量、積雪量など基本的なデータを集めるほか、大気汚染物質も分析。生態系調査は、猿や熊、シカといった動物や植物、昆虫類の分布や生息状況などを詳しく調べる計画だ。

 鈴木所長は「上高地には年間約150万人の観光客が訪れる。貴重な自然を次世代に残すためにも、まずは基礎的なデータを集めていきたい」と話している。



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