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霧ケ峰
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八ケ岳登山道の管理責任は誰に 茅野市と管理署で論議
2007/01/05 09:29
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 茅野市が昨年秋に八ケ岳で実施した登山道整備で、地権者の南信森林管理署(伊那市)と用地の借用契約を結んだことを受けて、誰が登山道の管理責任を負うかが議論となっている。茅野市は登山道の整備を毎年行っているものの、「登山道での事故の責任まで問われることになっては」(商業観光課)と困惑。同市から整備を受託している山小屋の関係者からも、管理責任を負ってまで整備はできないとの声が上がっている。

 茅野市商業観光課によると、八ケ岳の登山道整備はこれまで、山小屋関係者でつくる八ケ岳観光協会から要望を聞いた上で、整備個所を同管理署に報告。同市は年間200万円の予算で同協会を通じて山小屋に整備を委託し、整備費用が足りない場合は山小屋が負担してきた。

 同管理署は、茅野市による昨年秋の整備について、用地の借用契約を文書で交わすよう同市に要請。同市は9月20日-10月31日までの整備期間について契約を結んだ。

 こうした契約は同市にとって初めて。同市商業観光課は「あくまで観光のために整備が必要なので契約を結んだ」と説明。「すべての整備責任を負っているわけではないし、登山道の管理者ではない」と強調する。

 誰が登山道の管理者かについて、同管理署も「国が造ったわけではなく、地主だからといって管理はできない。登山道は管理外」との立場だ。

 中部森林管理局(長野市)などによると、南北アルプスや中央アルプスの国有林では、登山道の整備を担っている地元の松本市や北安曇郡白馬村、飯田市、駒ケ根市などとの間で、登山道用地を無償で貸す契約を結んでいる。登山道の整備主体を明確にするのが目的で、契約は5年ごとに更新している。八ケ岳ではこれまで、佐久側を含めてこうした契約は結ばれていなかった。

 ただ、既に森林管理署と契約を結んでいる自治体も、登山道の整備と管理は区別しており、「登山は自己責任が原則。管理責任までは負えない」(駒ケ根市)との声が強い。

 登山道の管理が議論になる背景の一つには、東京地裁で昨年4月に言い渡されたの判決がある。青森など3県にまたがる十和田八幡平国立公園の奧入瀬渓流(青森県)で、落木に当たり、下半身まひになった女性らが損害賠償を求めた訴訟で、国と県が管理責任を問われ、計約1億4800万円の支払いを命じられた(控訴審で係争中)。

 南信森林管理署は「登山道の受益者は市と山小屋関係者」として、登山道の管理は地元で行うよう今後話し合いを進めたいとする。一方で、山小屋関係者は「費用も負担して登山道の整備に取り組んでいる上に、管理責任まで問われるのなら整備はしなくなる」と訴えている。



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