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西駒山荘 荷下げ
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西駒山荘
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霧ケ峰
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涸沢
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過去の事故知らなかった ツアー主催の西東京の財団
2006/08/28 10:04

 これまでにもたびたび落石による死亡事故が発生している北アルプス・白馬大雪渓。しかし、ツアーを主催した西東京市文化スポーツ振興財団は取材に対し「過去に死亡事故があったとは全く知らなかった」と述べ、認識の甘さを浮き彫りにした。登山の専門家は「計画段階から危険をはらむ『入山前遭難』の典型だ」と厳しく指摘している。

 同財団によると、今回のツアーは「季節のハイキング」の名称で、山歩きの経験を問わずに参加者を募集した。同市で情報収集していた松川聡事務局長は「宿泊先のホテルと相談し、体力的に負担が軽く、安全なコースとして選んだ」と説明。「想像しなかった事故で残念。亡くなった方には申し訳ない」と話す。

 これに対し、県山岳遭難防止対策協会講師の丸山晴弘さん(65)=長野市=は「今年は残雪が多く、雪解けで落石が起きやすいにもかかわらず、主催者側に危険の自覚がなさ過ぎる」と嘆く。ツアー登山の遭難事故が増加傾向にある現状に触れ、「ツアー主催者は人件費を抑えるためガイドを少なくする傾向がある。参加者の体力や経験を不問とする集め方も問題だ」と訴える。

 白馬大雪渓では今回を含め、過去10年で少なくとも5件の死亡事故が発生。北アルプス北部では夏山シーズンに入って、土砂崩落や落石が相次ぎ、落石事故で登山ツアーの参加者計3人が死亡、2人が負傷している。

 文部科学省登山研修所の元所長で県山岳協会長の柳沢昭夫さん(66)=北安曇郡池田町=は「白馬大雪渓の周辺はもともと落石が多く、石も大きい」と指摘。「山では常に用心深く、が原則。落石が多い所では周囲に気を配り、落石があった場合にどう逃げるか、常に頭に置いておくだけで、かなり被害は違う」と話す。

 歩き方についても、柳沢さんは「前の人の足元を見てしまい、周囲への注意が薄れてしまうことがある」と注意を呼び掛け、耳を澄ますことや、落石が多い所ではヤッケを頭にはかぶらずに耳を出すといった細かな対策を挙げている。



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