
松本市と岐阜県高山市にまたがる乗鞍岳の畳平バスターミナル周辺で熊の目撃情報が相次いだ問題で、岐阜県や中部森林管理局などは17日午前、立ち入り禁止にしていた登山道や散策路をパトロールし、熊の姿が確認されなかったため、規制を解除した。
ただ、解除後も乗鞍岳頂上へと続く登山道から約1キロ離れた五ノ池(高山市)近くに熊が見えた-との目撃情報が1件あった。岐阜県などは目撃場所が登山道から遠く離れているため再び規制はせず、17日は人員を増やして目撃情報があった付近を重点的に見回ることで対応した。18日以降もパトロールを続け、観光客に注意を促すという。
山頂部がほぼ晴れた17日、規制が解除された散策路は観光客のにぎわいが戻ったが、岐阜県は観光客に注意を促す看板を設置。昨年9月に熊に襲われ10人が重軽傷を負っただけに、観光客からは不安の声も聞かれ、東京からバスツアーで訪れた井上和美さん(70)は看板を見て「ドキッとした。怖いので、駐車場からあまり離れない範囲を歩こうと思います」とやや緊張した様子だった。
バスターミナルを管理する観光会社の社員は「(規制が拡大された)昨日は例年の半分ほどになったお客の入りがほぼ戻った。研究者によると、畳平は熊の生息域という話なので(立ち入り禁止などの規制は)仕方ない。昨年のようにけが人が出るよりいい」と話していた。
【写真説明】熊への注意を呼び掛ける看板が立つ散策路を歩く観光客=17日、乗鞍岳畳平バスターミナル近く