
環境省松本自然環境事務所(松本市)は12日までに、河童橋や大正池周辺の上高地一帯で冬季にテントを張る場合、夏季にキャンプ場となる小梨平に限る管理方針を決めた。近年、スノーシューによる団体雪上ツアーが人気を呼ぶなど冬の入山者が増えており、ごみのポイ捨てや踏み荒らしなどが湿原などの環境に影響を与える可能性があるとして、来冬以降の入山者に対応を呼び掛ける。
同事務所は2008~09年度、冬の上高地の利用実態を調査。テント場の設営は制限していないため、水生動植物が豊かな岳沢(だけさわ)湿原でテントが張られていることや、田代湿原での踏み荒らし跡などを確認した。ごみが残されていたり、し尿の跡もあったという。このためキャンプ場として知られ、冬季も使えるトイレがある小梨平にテント場を限ることにした。
同事務所によると、08年12月~09年4月の上高地の入山者は約8400人。登山者が残した生ごみをカラスがあさる目撃例もあり、広野行男自然保護官は「登山者のごみを目当てにカラスが定着する恐れもある」と指摘する。
これまでに上高地町会など地元の代表者らと意見交換し、テント場を限る方針について同意を得た。来冬から現地に看板を掲げて案内したり、同事務所職員がパトロールしながら入山者に呼び掛けたりする予定だ。
上高地でスノーシューツアーを企画する岐阜市の会社経営北川健司さん(56)は「自社のツアーでは携帯トイレを用意しているが、他の入山者の中には湿原の雪上にテントを張ったり、ごみをポイ捨てしたりする人もいる。一定のルールは必要」と話している。

【写真説明】ツアー客のテントが並ぶ冬の小梨平=2009年1月