
県山岳協会(柳沢昭夫会長)恒例の「山のセミナー」は6、7日の2日間、大町市の県山岳総合センターで開いた。協会加盟の山岳会員や外部の専門家を講師に招き、登山や冒険に関する新たな知識を習得した。
約40人が参加した7日は、2008年2月から09年1月まで第49次南極観測隊員として昭和基地でごみ処理などの環境保全を担当した山岳ガイド赤田幸久さん(42)=池田町=が体験を話した。し尿処理は汚泥を分離、乾燥、焼却の上、日本に持ち帰っていることなどを、映像を交えて紹介。「外は寒いが、基地内は半袖で過ごせるほど快適」と振り返った。
また、南極周辺の気候変動に関し「温暖化傾向と報じられることが多いが、氷塊量が増えているとのデータもあり、研究者間でも意見は分かれるようだ」とした。
信大農学部の泉山茂之准教授は、南アルプスで高山植物がニホンジカに食い荒らされる現状を報告。人間社会のさまざまな要因から山ろくで個体数が増えた結果、餌を求めて山を上った-との見方を示し、「まだ被害が少ないお花畑に柵を設けるなどの対策が現実的」と指摘した。昨春、ネパール・ヒマラヤの解けゆく氷河を訪ねた県エベレスト山群環境トレッキング隊の報告もあった。
【写真説明】南極観測隊の体験報告などがあった県山協の「山のセミナー」