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楽しみ方はいろいろ

 東京など都会から見える方の中に、信州のそばは盛りがいい、という感想がある。たしかに昼食時など、きちんとした一食分でないと困る、という人が多い。信州では食事として考えられているからだ。

 そばには、なぜか「大盛り」がメニューに載る店がほとんど。初めから二枚を一人前として出す店さえある。大盛り、追加など、そばはたくさん食べてもいい、むしろ大食いが自慢になったりする。だから最近は、盛りのいい店が評判になる。大盛りを頼むと、よほどの大食漢でも食べきれないほど山もりの店もある。

 昔、江戸では信州人は「大食らいの働き者」というレッテルが貼られていた。その伝統というわけでもないだろうが、大盛りがどこのそば屋でも食べられるのは、うれしいことだ。

 もう一つ、最近の傾向として、大きな店では御飯などと一緒にしたセットメニューが増えた。天ぷらやまぜ御飯とそばを組合わせで食べるのもなかなかいい。町場では特に昼食のランチセットが人気で、かなりおなかいっぱいになる。これも「大食らい」の一つの傾向かもしれない。

 逆に、そばはちょっとでいい、という食べ方も出てきた。一般に「そば前」というと、お酒をさす。そばを食べる前に軽く飲む、そんな楽しみ方が、江戸(東京)の好き者の間で定着していた。それがだんだん地方へも広がり、今や信州でも、たしなむ人がぼつぼつ目立つ。午後の早い時間なら、そばは少ないのをさらりと食べるのがいい。そんなそば屋での粋な飲み方、食べ方が、これから増えていくのかもしれない。

 お酒も、かつては日本酒ばかりだったが、最近はビールやワイン、洋酒も合うとされ、そば屋には適したお酒が置いてある。好みで選んで飲めるのがありがたい。考えてみれば、昔から信州では人寄りの宴会の後にそばが振る舞われるのがふつうだった。今でもそうした地域、家はかなりあるはず。

 また、町で一杯やった後に軽くそばを食べて終わり、というパターンの人も多いのではないか。そばとお酒は、よく合う。お酒を飲まない人でも、細かい味にうるさい人もうるさくない人も、そばは、いろんな食べ方、味わい方があっていい。好き好きにそばを、信州そばを大いに食べ、楽しみたいものである。

… 2003年03月01日・記| trackback (x)

 

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