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戸隠そばの魅力、博物館で体験 伝統支える職人らの思い実感
2015/11/16 10:35
戸隠そば

 全国有数のそばどころ、長野市戸隠地区。24日まで開いている「戸隠そば祭り」で、毎年訪れて新そばを味わう都内の夫婦や1日で4店を回ったという横浜市の主婦ら、戸隠そばのファンに出会った。うどんやラーメンが好きだった記者も、香りや味にすっかりとりこになった。人々を引きつける戸隠そばの魅力をもっと知りたい―。伝統を受け継ぐそば職人たちを訪ね、心意気に触れた。

 12日午前8時。戸隠地区にある手打ちそばの卸業「華喬(かきょう)」の工房を訪れ、社長の山口茂さん(57)が作業するそば作りの工程を見学した。新そばの香りが漂う中、山口さんは平らに延ばした生地を幅1ミリほどの間隔で切っていく。表情は真剣そのものだ。作業中に話し掛けてしまい、申し訳なく感じたが「目をつぶってても切れるから大丈夫」。

 山口さんの技を目に焼き付け、戸隠地区にあるそば打ち体験ができる戸隠そば博物館「とんくるりん」へ。地元に暮らす指導員歴15年の徳武初子さん(58)から手ほどきを受けた。

 「麺のこしを決める」(徳武さん)というそばの生地を練る作業に挑戦。だが、手のひら全体で押してもなかなか力が伝わらない。徳武さんに「かかとを上げ、上半身の体重をかけて」と助言されると楽に押せるようになった。

 めん棒でのした生地をたたみ、そば包丁で切る作業へ。そばの太さは、包丁の角度を一定に保ちながら切りそろえる。これが難しい。5年ぶりに包丁を握った記者は傾け方が均等でないため、太さは2~5ミリとふぞろいになった。2ミリの等間隔の徳武さんとは対照的だったが「初めはそんなもんよ」と思いやってくれた。

          ◇

 戸隠生まれの山口さんは、25歳ごろから地元のそば店で修業し、1992年に独立。自ら標高約900メートルにある1ヘクタールほどの畑でソバを栽培し、朝夕の寒暖差で育った「霧下そば」を販売した。

 華蕎のそばを口にした関東地方の女性に「今までそばは好きではなかったが、とてもおいしかったので注文したい」と言われたことが忘れられないという。実際に自分のそばを食べてほしいと、直営のそば店「戸隠日和」を昨年4月に開いた。

 戸隠にソバを麺にして食べる「そば切り」が定着したのは江戸時代。戸隠講の参拝客をもてなす料理として人気が広がった。山口さんは「先人たちが積み重ねてきた歴史のおかげで自分たちは商売ができている」と語る。

 15年ほど前に戸隠そば協同組合に入り、戸隠そば祭りの運営にもさらに積極的に携わっている。一昨年に発足した長野吉田高校戸隠分校の「そば部」の指導役も務め、「全国高校生そば打ち選手権大会」での上位入賞を目指す生徒に技術を伝えている。

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 戸隠では昨年から、ソバの生産者と製粉業者、そば店主らが集まり、戸隠そばの振興策を考える動きが出てきている。山口さんは「そばのさらなる発展に戸隠の存続がかかっている」と力を込める。

 戸隠そば博物館で自分の打ったそばがゆで上がった。「格別の味でしょう。そば作りを楽しんでもらい、また戸隠に来てほしいとの思いを込めています」と徳武さん。そば職人や住民の思いが全国的な知名度の高さを支えていることを実感しながら、自分の打ったふぞろいな太さのそばを一口一口かみしめた。

写真説明:平らにのしたそばの生地をそば包丁で切る山口さん


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