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下諏訪・矢木温泉、存続へ 地域で守る共同浴場の文化
2017/02/22 11:04

 下諏訪町矢木東で80年余営業している共同浴場「矢木温泉」が、国道20号の工事に伴い源湯からの引湯が難しくなり、一時存続が危ぶまれたが、源湯を替え、営業を継続することになった。近年利用者の減少が続き経営は厳しいが、「共同浴場という文化を守っていきたい」としている。

 下諏訪町には町や区、財産区が運営する温泉が多いが、矢木温泉は有限会社が経営。下諏訪財産区の旦過(たんが)源湯から湯を引いていた。町が矢木温泉の前を通る国道20号脇に雨水の排水管を敷設する工事で、地下にある配湯管のスペースを確保できなくなり、代表取締役の土田耕嗣さん(56)は一時、廃業を考えたという。

 だが、町から存続を要望され、近くの町道に埋設された町の配湯管を使い、少し離れた高木第2源湯から引湯することにした。町が工事費約70万円を負担し、今月中旬に切り替え工事を終えた。土田さんは「『あって良かった』と言ってくれる人や、共同浴場の文化を守るために営業を続けることにした」と話す。

 関係者によると、矢木温泉は近くで雑貨店を営んでいた井上金平さん(故人)が中心となり、住民に寄付を募って1935(昭和10)年に開業した。以前は大社通り沿いの高札場近くに独自の源湯があり、松の木をくりぬいた配湯管で湯を引いていたという。

 土田さんによると、家庭に風呂が普及し、温泉も引けるようになったため、近年は利用者が減少。1日100人を切る日が多く、赤字経営が続いている。「客が増える工夫を考えなければいけない。できる限り続けたい」と話している。

 町は「共同浴場は町の資源。要望があれば、支援の検討をしたい」としている。

写真説明:矢木温泉の配管を替える工事。一時廃業が検討されたが、源湯を替えて営業を継続することになった=14日

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