佐久で出土の土偶形容器全体像復元 千曲で3月公開
県埋蔵文化財センター(長野市)は19日、佐久市平塚の西一里塚遺跡群の出土品から、全体像が分かる弥生時代後期の土偶形容器を復元したと発表した。弥生前・中期のものは県内外で確認されているが、後期は県内初。同センターによると、全国では3例目とみられる。頭部のつくりや左手に5本指の跡があるなど写実的な表現が特徴という。
土偶形容器は高さ約28センチ、胴体最大部の直径が約15センチ。頭部と左腕、胴体より下の八つの破片を接合した。顔は左半分が欠けているが、耳や鼻が丁寧に表現され、目やTの字を逆にした形の口はへら状の道具で彫られている。胸に開口部があり、胴体は空洞。左手の指は欠け、付け根が残っている。
弥生前・中期の土偶形容器は、死者を土葬した後、骨を器に入れて再び埋葬する「再葬」の風習に関連し、骨を納めたと考えられている。後期には使い道が変化した可能性があり、担当の桜井秀雄調査研究員は「埋葬された人へのささげ物とも考えられる」と話している。頭部に空洞がないのも珍しいという。
中部横断道建設に伴う発掘で2004年に頭部、05年に左腕とその他の破片がそれぞれ別の場所で出土。今年1月に復元を終えた。
全体像が分かる弥生後期の人形(ひとがた)土器を所蔵する群馬県埋蔵文化財調査事業団は「雰囲気がよく似ている。弥生後期の出土例はまだ少なく、貴重な資料だ」としている。
3月13日~5月9日に、千曲市の県立歴史館で開く「長野県の遺跡発掘2010」で公開する。
【写真説明】西一里塚遺跡群で出土し、復元された弥生時代後期の土偶形容器
▼県立歴史館の地図 |
(10年2月20日掲載)