別所線の車両内に懐かしい写真 上田出身の写真家撮影
上田市内を走る上田電鉄(上田市)の別所線の車両で、地元出身の写真家橋詰芳房さん(51)=東京都=が1970年代半ばから80年代前半に撮影した同線や沿線風景の写真展示が始まった。乗客を楽しませて別所線への親しみを深めてもらおうと、同社が車内広告の空きスペースを活用。橋詰さんは「存続は大変だと思うが、住民の生活を支えていってほしい」とし、撮りためた作品を継続的に提供していくという。
展示しているのは、古い下之郷駅舎、収穫期の田園風景の中を進む丸窓電車、新緑の独鈷山を背に走る車両といったモノクロとカラーの作品。橋詰さんが写真を始めた上田東高校生のころなどに写した。「人の生活あっての電車だと意識していた」といい、乗客や民家もさりげなくとらえている。
昨年秋ごろ、過去の写真を整理していて提供を思い立ったという橋詰さん。「倉庫内でも自由にたくさん撮らせてもらった。恩返しのつもり」とする。現在は都内で写真事務所を開き、主に建築物やインテリアの商業用写真などを撮っているが、帰郷すると別所線を写すこともある。「塩田平も建物が増えた。周辺環境は変わっても、人の生活を担う電車の使命は変わらず大切だと感じる」と話している。
作品は、1000系と7200系(丸窓電車)の車両に17枚ずつ並んでいる。上田電鉄運輸部は「上田や下之郷の駅でも飾りたい。3~4カ月ごとに展示内容を変えられるといい」としている。

(10年1月14日掲載)