山本鼎の絵はがき初公開 上田市立美術館

2017/12/04 10:00
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 上田市ゆかりの版画家で洋画家、山本鼎(かなえ)(1882〜1946年)直筆の絵はがき23点が、上田市天神の市立美術館で展示されている。上田で児童自由画教育と農民美術運動を提唱した鼎が、若き日に神川(かんがわ)村(現上田市)に住む家族宛てに書いたものを、鼎の親族が保管していた。ほとんどが初公開。ユーモラスで温かみがあるイラストに自身の近況などが添えられている。

 愛知県岡崎市生まれの鼎は、東京美術学校(現東京芸大)を卒業後、フランス・パリに留学し、版画や油絵を学んだ。帰国後は父親が医院を開業した神川村を拠点に運動を展開した。

 展示された絵はがきには、衣類を送ってくれたことへのお礼や自身の制作活動が書かれている。学生時代に当時の展示型娯楽施設で背景画の制作に携わった様子を報告。やぐらに上って作業するイラストを水彩で描き、面白いが高所での作業のため怖かったことや、着ていた着物が一日ですっかり汚れてしまったことなどをつづっている。

 他に、鼎の義兄で詩人の北原白秋(1885〜1942年)、彫刻家で画家の石井鶴三(1887〜1973年)など鼎と親交のあった同世代の芸術家仲間が鼎らに宛てた年賀状など23点も展示した。会場を訪れた酒井昭水(てるみ)さん(88)=上田市上丸子=は「はがきサイズの小さな作品に感心した」と話していた。

 来年2月12日まで。火曜、12月29日〜来年1月3日は休館。来年3月10日〜5月27日には長野市の信州新町美術館でも開催する。問い合わせは上田市立美術館(電話0268・27・2300)へ。

写真説明:山本鼎が近況を知らせるために書いた絵はがきが並ぶ展示会場

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