山本鼎と支援者の業績紹介 上田・神川小で展示

2017/11/11 11:36
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 版画家で洋画家の山本鼎(かなえ)(1882〜1946年)や彼を支えた人々を広く知ってもらおうと、鼎が拠点とした上田市神川(かんがわ)小学校で11日、「神川村から出発した山本鼎運動展」が始まる。鼎が上田で児童自由画教育と農民美術運動を提唱して2019年で100年を迎えるのを前に、地元住民らでつくる「神川・山本鼎の会」が企画。「100年も前に自由に表現する大切さを説いた鼎と、支えた地元の心意気に触れてほしい」と来場を呼び掛けている。

 愛知県出身の鼎は東京美術学校(現東京芸大)を経て1912年、フランス・パリに留学。版画や油絵を学び、帰国の際に立ち寄ったモスクワで見た児童美術展や農民工芸に刺激を受けた。帰国後、父が医院を開業していた神川村(現上田市)の神川小で、当時主流の「手本を写す」絵画教育でなく、児童が自由に描く重要性を講演。19(大正8)年に同小で開いた「第1回児童自由画展覧会」には全国から多数の作品が寄せられ、教育関係者も視察に訪れた。

 神川小図工室を会場に行う展示では、鼎の歩みのほか、鼎を物心両面で支えた地元の金井正、金井の後輩の山越脩蔵、鼎から直接指導を受けた初代中村実(いずれも故人)ら神川地区の人物や業績をパネルで紹介。上田で活動する農民美術作家の木工作品を展示し、鼎の妻の兄で詩人の北原白秋(1885〜1942年)が書いた「農民美術の歌」も掲げた。

 廊下には、同小の全クラスに呼び掛けて制作してもらった貼り絵のコラージュ作品を展示する。神川・山本鼎の会会員で地元の農民美術作家尾沢敏春さん(71)は「今は自由に描くことが当たり前。鼎は不自由な時代に自由に描く重要性を神川から発信した。そのことを地元の若い世代にも知ってほしい」とアピールしている。

 展示は無料で、19日までの午前10時〜午後4時。

写真説明:山本鼎運動展への来場を呼び掛ける「神川・山本鼎の会」の役員ら。展示では鼎を支えた神川の人物や児童のコラージュ作品を飾る

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