大好きな店、客から店主に 佐久で閉店の喫茶店再出発

2017/10/20 10:14
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 佐久市中込の商店街でちょうど半世紀明かりをともし、9月に惜しまれながら閉店した喫茶店「ぽけっと」が、雑貨店兼喫茶店として店名も新たに22日、再出発する。常連だった地元の革職人茂木春都(はるつ)さん(42)が「商店街を寂れさせたくない」と一念発起。旧店舗の雰囲気を残して改装し、より幅広い世代が来る店を目指している。

 ぽけっとは1967(昭和42)年、同市太田部の北村順一さん(79)、菊江さん(81)夫妻が中込商店街の別の場所で開店し、2度の移転を経て営業を続けてきた。ホットドッグやナポリタンが人気だったが、夫妻が高齢になり、9月下旬に店を閉じた。

 茂木さんは同じ建物の2階で革を使った雑貨の製作や修理をしており、仕事の合間にぽけっとでよくサンドイッチを買っていた。閉店を知り、「ここが空き店舗になると商店街が寂れてしまう」と感じたという。以前から自分の店を構えるのが夢だったこともあり、店舗の所有者と交渉。開店にこぎ着けた。

 店名は、一人娘の名前にちなんで「さっちゃんのおみせやさん&喫茶店」と名付けた。茂木さんは、子どもとゆっくり食事できる店が近所に少ないと感じてきたといい、2階には親子でくつろげる部屋を設けた。店内では自分の作品だけでなく、県内外の作家が作った帽子やイヤリングなども販売する。

 喫茶は天然酵母の生地のピザや砂糖を控えたジャムなど、食べ物に気を使う若い世代向けの軽食を提供する予定。「ぽけっと時代の名物に近い味を出したい」と、順一さんからコーヒー豆の配合や入れ方を教わった。コーヒーにホイップクリームを入れるサービスも受け継ぐ。順一さんは「以前の雰囲気も残しつつ、若い人の感性で、この街にない新しい店になってほしい」と期待する。

 茂木さんは「いろんな人の力を借りて出す店。どのお客さんにも居心地がよい店にしていきたい」と話している。

写真説明:22日に開く店でコーヒーを入れる茂木さん。奥の手作りの棚には雑貨を並べた

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