椋さんエッセーのジャンボ紙芝居 喬木の記念館長制作

2017/07/28 11:09
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 喬木村の椋鳩十記念館館長の大原文男さん(65)が、同村出身の児童文学者、椋鳩十さん(1905〜87年)の作品を扱った「ジャンボ紙芝居」の制作を進めている。椋文学に親しんでほしいと館長就任の2012年に着手し、これまで3作品が完成。今回初めてエッセーを題材にした。没後30年を迎えた今年、改めて椋さんの人となりを知ってほしいと願っている。

 エッセーの題名は「生きておったんな!」。当時鹿児島県に住んでいた椋さんが、たびたび取材に訪れていた飯田市南信濃和田の山肉料理店「星野屋」を、終戦から10年余りたって約20年ぶりに再訪した際に温かな歓迎を受けた喜びを短文でつづっている。

 文学者らしい椋さんの感性が感じ取れる一文も。ふとした会話で深い谷間にある南信濃の夕暮れを「スズメ色時」と表した主人の言葉に、「美しい詩にばったり会ったような気がした」と振り返っている。

 ジャンボ紙芝居はA1判。大原さんが以前、小さな紙芝居として描いた作品を、ボード9枚に再構成する。現在は「スズメ色時」の風景を表現しようと奮戦中だ。

 動物を扱った文学作品で知られる椋さんだが、多くの作品の題材となった昔の伊那谷の様子がうかがえるエッセーも数多く残している。都内の美大を卒業し小中学校で美術を教えていた大原さんは「いろいろな形で椋先生のことを広めたい」と話している。

 ジャンボ紙芝居は8月20日に同記念館で催す「第20回椋文学夏期講座」で披露する。講座は松川町の児童文学者、中繁彦さんの講演などがある。午後2時〜3時半、無料。

写真説明:制作中の大型紙芝居を紹介する大原さん

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