仏具「塔鋺形合子」のふた出土 長野の柳原遺跡群

2017/02/04 11:42
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 長野市の県埋蔵文化財センターは3日、市内の小島・柳原遺跡群から奈良時代末〜平安初期の仏具「塔鋺形合子(とうまりがたごうす)」のふたが県内で初めて出土したと発表した。古代の物は、国内では正倉院(奈良市)など3カ所にしかなく非常に貴重といい、「構造や作風から美術工芸品として優れ、地域の歴史や古代文化を知る上でも重要な史料」としている。

 センターによると、合子は仏事に使う青銅製の容器で、中にお香を入れる。ふたに仏塔の形のつまみが付く。今回のふたは、成分分析から奈良時代の特徴が見られるという。高さ6・3センチ、口縁径7・8センチで、重さは102グラム。容器は見つかっていない。

 国道18号長野東バイパス改築事業に伴い、センターが2016年6〜12月に3千平方メートルを発掘調査中、平安前期の竪穴住居跡から見つかった。国内では正倉院にふたと容器を合わせた10組(御物)、奈良県の法隆寺に1組(重要文化財)が伝わるほか、栃木県の日光男体山(なんたいさん)出土の13点(同)があるが、時代が分かる遺跡からの出土は初めて。

 遺跡群は、市東部の千曲川左岸の自然堤防上にあり、発掘現場には平安時代の竪穴住居跡が集中。善光寺仁王門から東に6キロの交通の要衝に当たる。県埋蔵文化財センターの川崎保・調査3課長は「宗教的もしくは政治的な指導者が持っていた物が、後に一般集落に持ち込まれたとみられる」としている。

 合子のふたは、18〜24日に県埋蔵文化財センター、3月18日〜6月25日に県立歴史館(千曲市)で公開する。

写真説明:出土した古代の仏具「塔鋺形合子」のふた(下部は模造品)

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