山や暮らし題材、版画家吉田博 阿智で生誕140周年作品展

2016/10/27 11:23
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 山や暮らしの風景を主題とした版画家、吉田博(1876〜1950年)の生誕140周年を記念する「吉田博展『絵の鬼』と呼ばれた男」が、阿智村清内路の「ギャラリーA&JM(アート&ジャパニーズマイスター)」で27日まで開かれている。木版のぼかしの技術を巧みに用い、自然の美しさを詩的に表現した作品が並ぶ。

 清内路在住の木版画家、岡本流生さん(67)が吉田の孫の比登志さん(68)=大町市=と旧知の縁で企画。比登志さんや飯田下伊那地方の個人が所蔵していた作品計34点を展示した。

 吉田は福岡県久留米市出身。展示した「日本アルプス十二題白馬山頂」「富士十景朝日」など、朝もやに包まれた空気の湿度まで伝わってくる山の作品が有名だ。テントと画材を持って山に数カ月こもっては描いたという。比登志さんによると「(吉田は)自然と人間の間に立って、その美しさを見ることができない人に、自然の美を伝えることが役目」と語っていた。同じ版木を異なる色彩で刷った連作もあり、版画の面白さを楽しめる。

 農家の土間を描いた戦後唯一の作品「農家」など、農村の平凡な風景を描いたものも多い。来年4月からは上田市でも展示する予定だ。

写真説明:吉田博さんの作品を紹介する孫の比登志さん

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