臥雲辰致の功績知って 発明のガラ紡機など松本で展示

2016/09/30 11:30
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 ガラガラと音を立てて綿糸を紡ぐ「ガラ紡機」を発明した旧堀金村(現安曇野市)出身の臥雲辰致(がうんたっち)(1842〜1900年)の功績を広く知ってもらおうという約1カ月間の展示会が30日、松本市の中町・蔵シック館で始まる。辰致が開発したものと同じ構造のガラ紡機を展示し、実演するほか、ガラ紡機の歴史に詳しい学者らによる連続講演会、コンサートもある多彩な内容だ。

 主催するのは、有志でつくる「ガラ紡を学ぶ会」。松本市出身で辰致の孫に当たる経営コンサルタントの臥雲弘安さん(79)=名古屋市=が代表を務める。「辰致の功績は、地元の安曇野市や松本市であまり知られていない」とし、昨年6月に松本市で開いた講演会に続いて企画した。

 弘安さんや、愛知大中部地方産業研究所(愛知県豊橋市)研究員の天野武弘さん(70)らによると、辰致が松本市の女鳥羽川沿いの施設で開発したガラ紡機は、1877(明治10)年に東京で開かれた博覧会で最高賞を獲得した。ただ、中信地方は蚕糸業が中心だったため、綿作地帯の愛知県三河地方などで普及し、評価されていったという。

 今回展示、実演するガラ紡機の骨組みは鉄製で、戦前から戦後にかけて使われたとみられる。辰致が開発したのは木製だが、構造はほぼ同じで、手で回して歯車を回転させ、ブリキの筒に入れた綿から糸を紡いでいく。天野さんは「切れやすく、太さもばらつきはあるが、自然な風合いが最近は受け、タオルやハンカチにして販売されている」と話す。

 会場ではこのほか、ガラ紡機の解説パネル、ガラ紡機で作られた綿糸を使った衣服、辰致の肖像画などの遺品といった約300点を展示する。ガラ紡機の実演は10月8〜30日の8日間、連続講演会は松本市文書館特別専門員の小松芳郎さん(2日午前10時、23日午後1時半)、天野さん(16日午後1時、19日午後2時40分)ら10人が担当し、それぞれ週末を中心に開く。コンサートはセントラル愛知交響楽団(名古屋市)メンバーが15、16日に弦楽四重奏や金管五重奏を披露。ミニコンサートもほぼ連日行う。

 弘安さんは「地元の独創的な技術者の存在をよく知ってもらい、ガラ紡の綿糸が、再び広く使われるようになってほしい。将来は松本にガラ紡記念館を造りたい」と話す。展示会は10月30日までで無休、入場無料。問い合わせは臥雲弘安さん(電話090・8499・5118)へ。

写真説明:実演に使うガラ紡機の準備をする臥雲弘安さん(右)ら

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