龍渓硯作家の歩みたどる 辰野で翠川さん遺作展開催へ

2016/09/02 10:01
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 県の伝統工芸品で上伊那郡辰野町の特産品「龍渓硯(りゅうけいすずり)」を作った硯作家で、2014年9月に71歳で亡くなった故・翠川希石(きせき)(本名袈裟美(けさみ))さんの遺作展「石に命を吹き込む硯匠翠川希石展」が3日から同町の辰野美術館で開かれる。丁寧に磨き上げた硯や、鉄分を含み赤茶色をした岩の質感を生かした作品など遺族ら所蔵の25点ほどが並ぶ。

 龍渓硯は、同町の横川や小横川の渓谷から採れる黒雲母粘板岩を使う。江戸末期に制作が始まったとされる。翠川さんは父を継いで硯作りに取り組み、2003年に全国伝統的工芸品公募展で入選した。

 会場には写真家鈴木心さん(東京)が撮影した翠川さんの制作風景や、龍渓硯を愛用する書家の作品も並べ、翠川さんの足跡を紹介する。同美術館学芸員の赤羽義洋さんは「伝統的な工芸の文化と、身近にある書の世界に目を向けてほしい」と話している。

 25日までの午前9時〜午後5時。月曜休館(19日は開館、20日と23日休館)。一般300円、高校生以下無料。17日午後1時半から、伊那市在住の書家で、翠川さんに硯作りを学んだ泉石心(せきしん)さんのギャラリートークと硯作りの実演がある。問い合わせは同美術館(電話0266・43・0753)へ。

写真説明:遺作展で展示する翠川さんの作品=辰野美術館

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