紆余曲折経てついに公開へ 安曇野で「村田コレクション」

2016/08/05 11:01
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 安曇野文化財団(安曇野市)は13日から、「村田コレクション」と呼ばれ、財団が管理・保管する欧州家具を中心とした民芸品を、安曇野市豊科近代美術館の外収蔵庫で一般公開する。これに先立って4日、財団関係者対象の内覧会を開いた。これまで民芸品の所有権を巡る寄贈者と旧豊科町側との争いがあり、市民の目に触れる機会が限られてきた。その後、専門家による鑑定などを経て常設展示が実現した。

 内覧会には、民芸品の鑑定に携わった生活文化研究所長の鍵和田(かぎわだ)務さん(90)=東京都府中市=ら18人が出席。美術館の外収蔵庫の一部140平方メートルを改修した「収蔵展示室」に並べた机や椅子などの家具類、ガラス製品、陶器などを見学した。

 収蔵展示室は3分割し、欧州の椅子を展示したほか、机やベッドなどの家具を並べて地主の部屋とブルジョア(資本家階級)の部屋を再現した。英国で造られた18世紀の椅子「ダービーシャーチェア」など貴重な品がある。

 民芸品は18〜20世紀の庶民の生活家具を中心に699点あり、内容を入れ替えながら展示する。鍵和田さんは「欧州の工芸史は貴族階級を中心に研究されてきた。庶民が使った家具の展示は意義深い」と話す。

 財団によると、一連の民芸品は、収集家の故村田新蔵さんが旧豊科町に寄贈。その後、所有権を争って村田さんが1990年に提訴した。和解後も収蔵品の活用方法などで意見の食い違いが生じ、公開できなかった。

 財団は鍵和田さんらによる時代考証や学術的評価を経て2011年度にコレクションを一時公開。常設展示の要望もあり、収蔵展示室を改修して公開することにした。財団の浅川文彬(ふみよし)理事長(77)は「市民に公開し、役立てていくという務めを果たせるようになった」と話している。

 収蔵展示室は今後、4〜10月の火、木、土曜日に無料で公開する。見学には1週間前までに予約が要る。問い合わせは安曇野文化財団(電話0263・73・5638)へ。

写真説明:13日から一般公開される欧州の民芸品。庶民が使った家具の様子がうかがえる

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