地歌舞伎の魅力伝える 中津川の東濃歌舞伎10日松本で

2016/07/09 12:06

 松本市で11日に始まる「信州・まつもと大歌舞伎」(実行委員会主催)の関連事業として10日に企画している地歌舞伎の公演で、岐阜県中津川市の東濃歌舞伎中津川保存会が「菅原伝授手習鑑(てならいかがみ)車曳(くるまび)きの場」を披露する。地域の役者が演じる地歌舞伎の魅力を広く伝えたいと願い、初めての松本公演に向けて一丸となって稽古に励んでいる。

 岐阜県には29の歌舞伎保存会があり、神奈川、兵庫と並ぶ「日本三大地歌舞伎」と称される。芝居小屋も多く、その一つ「東座」(岐阜県白川町)では、まつもと大歌舞伎に出演した故中村勘三郎さんが2006年、襲名披露公演をした。その後も長男勘九郎さん(34)が名誉館主になっている。

 こうした縁もあり、地域住民が古くから受け継いできた地歌舞伎を学ぶ狙いで、まつもと大歌舞伎の実行委員会が公演を依頼し、中津川保存会が引き受けた。保存会メンバーは小学生から70代まで約70人いて、師匠の中村高女(たかじょ)さん(85)に教わって稽古している。

 もう1人の師匠だった4代目中村津多七の吉田茂美さんは、昨年4月に病気で亡くなった。吉田さんは岐阜県の地歌舞伎再興や魅力の発信に力を注いでいたといい、保存会はその熱意を引き継いでいる。保存会顧問の製茶業市川尚樹さん(54)は松本市での公演に「うれしい申し出だった。光栄だ」と話している。

 「いかに歌舞伎を楽しむかを継承している」と市川さん。稽古場はいつも笑いが絶えないという。演目の「菅原伝授―」はそれぞれ異なる主君に仕え、敵対する三つ子を描く物語。「めりはりある芝居が見どころ。こてこての地歌舞伎を楽しんでほしい」と呼び掛けている。

 10日は午後2時。キッセイ文化ホール。チケットは同ホールなどで販売し、一般800円、25歳以下400円、小中学生100円。問い合わせは市文化振興課(電話0263・34・3293)へ。

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