「福島の目」茅野でも共感 巡回展の写真に寄せ書き

2016/07/04 10:12
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 東京電力福島第1原発事故で福島県双葉町から避難した自営業の大沼勇治さん(40)=茨城県古河(こが)市=が3日、自身がモデルとなった作品を見るため、茅野市民館で開いている写真家中筋純さん(49)=東京=の巡回展「流転 福島&チェルノブイリ」の会場を訪れた。巡回展では、大沼さんがモデルの作品に来場者の寄せ書きを募っている。「繰り返さない」「福島の方がいつか自宅に帰れますように」といったメッセージを見て、帰還困難区域に自宅がある大沼さんは「力をもらった」と語った。

 双葉町は昨年12月まで、大沼さんが小学生の頃に考え、採用されたという「原子力明るい未来のエネルギー」との標語が書かれた広報看板を設置していた。中筋さんの作品は、広報看板と防護服姿の大沼さんの瞳を合成。縦、横とも1メートルの大きさで、会場入り口に飾った。

 「東京では被災地への関心が薄れつつある。『福島の目』が東京を見つめていると伝えたかった」と中筋さん。知り合いだった大沼さんにモデルを依頼したという。今年3月以降、全国各地で巡回展を開いてきた。

 びっしりと寄せ書きがある作品を今回初めて見た大沼さんは「否定的なことが書かれているかもと思ったが、そんなことはなくて安心した」。来年3月に巡回展が終わったら、中筋さんから作品を譲り受けるといい、大沼さんは「東日本大震災の3カ月後に生まれ、故郷を一度も見たことがない長男に見せ、『震災遺構』として伝えたい」と話した。

 茅野市での巡回展は6日まで(5日休館)。問い合わせは中筋さん(電話090・8849・6864)へ。

写真説明:自身の瞳を合成した作品の寄せ書きについて感想を話す大沼さん(右)と中筋さん

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