地域に活気を、古民家茶寮 飯田で1カ月、住民集う

2016/07/01 10:08
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 飯田市下久堅にある築150年の古民家を活用した茶寮「九如(きゅうじょ)亭」がオープンして1カ月が過ぎ、地元住民の憩いの場になっている。江戸時代末期に建てられ、趣のある雰囲気が人気を集める。主に市内から客が訪れ、リピーターも増えてきた。切り盛りするのは、ここで暮らす画家宮井啓江さん(40)と母のひろ子さん。下久堅地区は山間地域で、宮井さんは「この取り組みをきっかけに、地元に活気が出れば」と願っている。

 古民家は本棟造りで、慶応年間に庄屋の屋敷として建築された。広さは約330平方メートル。太い梁(はり)や柱があり、歴史を感じさせる。古民家を見たいという地元住民の声が多かったため、あまり使っていなかった部分を開放しようと店を開くことを考えた。

 宮井さんは起業に当たり、飯田市の「ビジネスプランコンペティション」に応募。大賞に次ぐ特別賞に選ばれて事業化の支援を受け、計画は具体化した。5月20日にオープンした。

 明治時代に書家が残した「九如亭」という書から、茶寮の名称を付けた。1部屋に1組ずつを受け入れ、9組が利用できる。床に直接座るのが難しい年配客を考慮し、ソファやいろりのある席も用意した。約40冊の画集を楽しめる席は宮井さんのお気に入りだ。

 主に市内から1日10〜15組の客が訪れる。ゆったりとした空間を楽しみ、「時間を忘れる」などと喜ばれているという。同市上久堅の福島晴啓さん(77)は古民家に興味があり、オープン後に何度も足を運んでいる。「重厚な感じが気に入っている。庄屋だった家がそのまま保存されているのは珍しい」と話す。

 床の間には、1カ月ごとに下伊那地方の芸術家らの作品を1点展示。宮井さんは「作家の新しいインスピレーションが湧くような場であってほしい」と期待する。

 下久堅地区は子どもが少なく、地区外に人の流出が続く。宮井さんは「店をきっかけに、地元に活気が出てほしい」と話している。午前10時〜午後5時。休みは木曜日と第2水曜日。問い合わせは宮井さん(電話0265・29・7766)へ。

写真説明:茶寮でお客さんと談笑する宮井さん(左)

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