武井真澂の画業に光を 松本市立博物館、寄贈受け展示へ

2016/06/25 11:35
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 松本市立博物館は7月15日〜9月4日、日本山岳画協会の創設に参画した諏訪市出身の日本画家武井真澂(しんちょう)(本名・真澄(ますみ)、1875〜1957年)の功績を紹介する作品展を初めて開く。孫のみどりさん=東京都=から約2千点の作品の寄贈を受け、整理中の一部を展示。今年初めて迎える国民の祝日「山の日」(8月11日)に合わせ北アルプス上高地などで開く記念全国大会の関連行事に位置付ける。

 みどりさんによると、武井は旧制松本中学校(現松本深志高校)時代に長野市の戸隠山で植物採集をして以来、山に魅了された。東京美術学校(現東京芸術大学)で鋳金を専攻し、松本中に美術教師として赴任。40歳で退職して上京し、日本各地の山々で作品を描いたという。

 日本山岳会(東京)によると、同会が1909年に最初に制定した会員章は、武井のデザイン。山という漢字で山の形を表現したとの記録が残っているという。

 みどりさんは幼少期、千葉県内で晩年の武井と一緒に暮らした。「おっかなそうなおじいちゃんで、筆をなめながらひたすら描いていた」と振り返る。作品の寄贈は、父であり武井の長男の篤さん(故人)の願いだった。みどりさんの夫・和夫さんの知人に日本山岳会員がおり、その人の仲介で2013年に松本市立博物館に寄贈した。

 寄贈作品は写生帳が多く、横1メートル以上の巻物もある。槍ケ岳など北アルプスの山々を描いた絵は、大胆な筆遣いの一方で沢の名も細かく記入。訪問先の庭に咲くスイセンを繊細に描いた絵も目を引く。

 作品整理を担当する同館の丸山和子学芸員(24)は「良い状態で残っている。この機会に広く知ってほしい」。みどりさんは「貴重な高山植物も描いている。改めて美しい山を皆で守ろうと心に留めてもらえたら」と願っていた。

写真説明:武井真澂が描いた作品を調べる松本市立博物館の学芸員ら

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