上伊那の劇団が15年ぶり活動 伊那で14・15日公演

2016/05/13 11:06
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 上伊那地方の住民でつくるアマチュア劇団「風の庵(いおり)から」が15年ぶりに活動を再開し、14、15日に伊那市西春近の「まつり工房」で公演する。1998年に同劇団を結成した演出家で、今回も演出を手掛ける飯島岱(たかし)さん(71)=箕輪町上古田=は「僕の好きな俳優(団員)が伊那に育ったのが再始動のきっかけ」と話し、レベルの高い演劇を目指して最終盤の稽古に励んでいる。

 同劇団は、旧満州(中国東北部)出身で首都圏を拠点に活動していた飯島さんが、病気療養のために移り住んだ箕輪町で出会った友人たちと結成。団員が劇団に縛られず、風のように自由に関わってほしいと劇団名を付けた。

 会社員や介護職、フリーターなどのメンバーは仕事が忙しく、結成から3年ほどで活動を休止していた。今回は飯島さんと、発足時のメンバーで舞台監督の北原永(ひさし)さん(62)、制作の渡部泰徳さん(41)が呼び掛けて団員を集めた。北原さんは「この劇団で飯島さんから学びたい」と話し、渡部さんは「生活の中に芸術があった伊那谷の文化を再興する一助を担いたい」と地域文化にも目を向けている。

 上演作品は、塩尻市在住の舞台作家三輪はじめさん作の「禁断の果実」。3世代の5人が暮らす一家で、引きこもりの中学生を巡って家族に巻き起こる騒動などを描く。食事に手を付けない中学生が唯一口にするリンゴがモチーフの一つとなり、客席を巻き込んだ演出もあるという。

 本番を控えた稽古では、飯島さんが人さし指を前に鋭く突き出したり、体を動かしたりして演技の指示を団員に出した。飯島さんは「この劇団は、作家と演出家、役者それぞれが対等な立場だ」と語る。役者同士の個性がぶつかり合い、出演者の斧研(おのとぎ)雅子さん(46)は「意表を突く演技をしても相手から返事が返ってくる」と仲間を信頼する。

 劇団は8〜9月に、劇作家、清水邦夫さんの作品の連続公演も行う。来年は、ギリシャ悲劇の「オイディプス」を野外で演じる予定だ。

 今回の公演は、地元の伊那西高校演劇部の生徒12人も出演する。両日とも開演は午後1時と6時。入場料は一般1500円、高校生以下800円。問い合わせはまつり工房(電話0265・78・6662)へ。

写真説明:公演の本番に向けて稽古をする「風の庵から」の劇団員

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