昭和の風景や人々の暮らしを再現した「昭和幻風景ジオラマ展」を開催している伊那市高遠町の信州高遠美術館で4日、制作したジオラマ造形作家、山本高樹さん(51)=東京=によるギャラリートークがあった。山本さんは、20人ほどの参加者を前に、制作時の苦労話や作品にまつわる話などを紹介した。
展示しているジオラマは、実物を約25分の1のサイズにして再現した二十数点。横浜港や都内のガード下、大阪の繁華街、農村などを舞台に、それぞれにドラマを持った人形が配置されている。中には往年の名優らも紛れている。
320体ほどの人形が並ぶ浅草神社(東京)三社祭の作品は2カ月半で制作。妻や妹にも色塗りを頼んだといい、「自分で見てもうんざりするほど。よく作ったなと思う」と、ユーモアを交えながら説明した。
1990年代初めに訪れたという飯山市の作品もある。女性2人が野沢菜を漬ける様子で、「おばあさんは木のおけ、お嫁さんとみられる女性はプラスチックのおけなのが面白い」。
会場を訪れた伊那市荒井の小平和夫さん(62)は、古い街並みの作品を眺めながら「伊那の街にもこういう雰囲気が残っていて、通じる部分がある。人物の表情までよく作ってある」と話していた。
展示は22日までの午前9時〜午後5時。6、10、17日は休館。高校生以上800円、小中学生250円。
写真説明:参加者に作品を解説する山本さん(中央)