井上井月の俳句、伊那で展示 真筆とみられる短冊など

2016/04/08 10:29
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 幕末から明治期に伊那谷を放浪した俳人、井上井月(せいげつ)の真筆とみられる9句の短冊や扇子などが、伊那市創造館で展示されている。井月の顕彰会(伊那市)が3月末、上伊那郡中川村の旧家の当主から有償で譲り受けた。顕彰会副会長で井月研究家の竹入弘元さん(84)=伊那市荒井=は「井月の真筆はあまり見られず貴重」と話している。

 いずれも明治初期ごろまでの句とみられる。井月は旧長岡藩(現在の新潟県)の出身とされる。少年時代を回想する「雪車(そり)に乗(のり)し事も有(あり)しを笹(ささ)ちまき」は、「越(こし)の高田より信濃へ趣(おもむ)く途中」という説明が添えられ、笹ちまきは越後名物だ。「行々子(ぎょうぎょうし)あまりといひばはしたなき」の句は、「いひば」が「いへば」の越後なまりという。

 9句はいずれも井月全集(1930年初版)に収められている。竹入さんによると、全集の著者の1人、高津才次郎が伊那高等女学校(現伊那弥生ケ丘高校)の教員時代、井月の句を所有していないか生徒らに呼び掛けた。今回の9句は、同校に通っていた旧家の生徒を通じて高津が確認し、全集に収めた可能性があるという。

 井月作として知られる句は約1800あり、真筆が確認できたのは400句ほど。顕彰会は、真筆の散逸を防ぐための態勢づくりを進めているが、竹入さんは「どこに真筆があるか、だんだん分からなくなっていく」と心配する。

 真筆に関する問い合わせは竹入さん(電話0265・78・2636)か、同館(電話0265・72・6220)へ。開館は午前10時〜午後5時(原則火曜と祝日の翌日休館)。井月の展示室は観覧無料。

写真説明:伊那市創造館で展示している井上井月の真筆とみられる作品

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