書や日本画、中村不折の世界 ゆかりの高遠で生誕150年展

2016/03/26 11:19
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 伊那市高遠町歴史博物館で25日、地元ゆかりの画家で書家の中村不折(ふせつ)(1866〜1943年)の生誕150年を記念した特別展「己(おのれ)を広げ 己を高め」が始まった。高遠で苦学していた幼少期やパリ留学時代の修業期の品を中心に、書や日本画など約70点を展示。正岡子規をはじめとする芸術家たちとの交流がうかがえる書簡もあり、不折の歩みや生きざまを伝える。

 江戸出身の不折は、明治期に母の出身地高遠に移った。上京後は新聞の挿絵などを手掛け、日清戦争では中国大陸へ従軍。留学先のパリでは西洋画を学び、晩年は散逸の恐れがあった中国の貴重な資料を集め、都内に書道博物館を設立するなどした。

 高遠町歴史博物館学芸員の林洋一さん(45)によると、日清戦争従軍時代、書体が確立されていなかった中国六朝時代の書に触れた。パリから帰国後に発表された六朝書風の習字の手本「龍眠帖」は、「不折の六朝書のデビュー作にして最高傑作とされる」(林さん)。自由な書体は明治期の人々に衝撃を与え、「新宿中村屋」のロゴなどで知られる不折独特のデザインにもつながったという。

 不折がパリから親戚に宛てた絵手紙(1902年)は初公開。フランスの画塾で励み、現地の彫像を鑑賞したと記している。不折の写真や掛け軸、デッサンなども展示。林さんは「不折は非常に多才で、どれも高いレベルに達している」と話した。

 6月19日までの午前9時〜午後5時。3月28日、5月6、9、16、23、30日、6月6、13日は休み。入場料は一般400円、小中学生200円。小学生未満は無料。

写真説明:中村不折の作品を解説する林さん(右)

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