深く知ろう、高遠の先人 伊那で中村不折生誕150年展

2016/03/05 11:17

 伊那市高遠町ゆかりの書家・画家中村不折(1866〜1943年)の生誕150周年特別展「己(おのれ)を広げ己を高め」が、市高遠町歴史博物館で25日から始まる。市内各所で今年計画されている記念事業の一環。少年期の絵や、同時代の文化人が不折に言及した文章などの資料も並べ、人となりや苦学して身を立てた歩みを描き出す内容にする。

 同館などによると、不折は幕末の江戸に生まれ、幼少期に母の郷里の高遠に一家で移住。貧しい暮らしで働きながら絵を学び、20代前半で画家を志して上京した。新聞の報道画家として日清戦争で従軍もし、ためたお金でフランスへ留学。洋画や日本画、書など多方面で活躍した。

 特別展では同館所蔵・寄託品のほか、「渓邨(けいそん)晩秋図」など信州高遠美術館の所蔵品、個人蔵の作品の展示も検討。不折が少年期に描いた絵を集めた巻物、フランスに渡った直後に知人に宛てた書簡、同じ新聞で働いた俳人正岡子規(1867〜1902年)が随筆「墨汁一滴」で当時の不折の困窮ぶりに触れた一節、不折の歩みを記した昭和初期の新聞連載などが候補だ。

 同館の笠原千俊館長(62)によると、地域には不折の作品を買い求め、今も保管している人がいる。「不折を温かく見守り支えたであろう、地域の名もない人たちにも特別展で触れられればいい」と話している。

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