出征者の遺品、野沢温泉で展示 亡き兄しのぶ姉妹

2016/02/17 10:18
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 下高井郡野沢温泉村の「高野辰之記念おぼろ月夜の館―斑山(はんざん)文庫」で、企画展「写真で見る野沢温泉村の戦前・戦後」が開かれている。戦中の写真や同村出身の故上野隆男さんが出征した際の寄せ書きや千人針など計約70点を展示。16日は村内に住む上野さんの妹の久保田ハナ子さん(87)、池田キヨ子さん(85)が訪れ、遺品を見て当時を振り返った。

 姉妹によると、上野さんは陸軍に加わり旧満州(中国東北部)に渡った。復員後は左官などをして約20年前に亡くなった。

 展示している上野さんの遺品は、日の丸に「祈武運長久」などと書かれた寄せ書きや出征時に家族で撮影した写真など。軍隊手帳などを入れる「奉公袋」や軍帽などもある。姉妹がじっくりと遺品を見るのは初めてという。

 遺品は上野さんの妻の自宅で木箱に入っていたといい、昨夏に見つかった。そのころ、村内で写真店を営む久保田さんの長男、真一さん(63)が戦後70年の節目に合わせた写真展を開いており、遺品は真一さんが引き取った。

 ハナ子さんは上野さんの出征時の記念写真を眺め、「(送り出す際は)もう会えないと思った」と振り返る。当時は出征が「しょっちゅう」あり、見送るたびに「若く健康な人が行ってしまい、暗い気持ちだった」という。

 戦時中は戦況は有利だとする報道が相次いだ。ただ、ハナ子さんは「(報道は)反対だ。負けている」と父や近所の人が話しているのを覚えている。池田さんは「とにかく食べ物がなく、生活は精いっぱいだった。二度と起こしてほしくない」と話していた。

 企画展では、学童疎開や当時の道祖神祭りといった、真一さんが集めた写真も見ることができる。3月6日まで。入館料は大人300円、小中学生150円。月曜休館。

写真説明:兄の遺品を眺める池田さん(左)と久保田さん

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