化石が伝える「海」の古代信州 長野の博物館で収集品展

2016/01/15 10:34
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 長野市信州新町化石博物館は、同館非常勤職員の小池伯一さん(70)=松本市=が収集した化石約200点を展示する企画展「信州の海の化石―小池コレクション展」を開いている。塩尻や松本、安曇野市方面から長野市戸隠にかけて広がる約1600万年前から170万年前にかけての地層から発掘されたさまざまな化石を並べ、海が広がっていた古代信州の姿を伝えている。

 小池さんは中学生のころに化石に夢中になり、以来、収集を続けている。国内外に発掘調査に出掛け、世界最古のアシカ科の化石などを発見してきた。これまでに2回、同館でコレクション展を開いており、今回で3回目となる。

 前回までは貴重な化石を中心に紹介してきたが、今回は古代信州の姿を伝える化石を幅広く紹介。貝や魚類のほか、植物、哺乳類の化石を並べている。パネルでは、それらの生息地などの調査から、古代の信州は現在の九州南部から沖縄県と似た温暖な気候だった―と説明している。

 約1千万年前までに絶滅した哺乳類で、アシカやアザラシのような「ひれ脚」を持つ「アロデスムス」の化石は、肩甲骨など部位ごとに見つかったものを紹介。肩や胴体がそろっているとみられる化石が安曇野市で見つかったばかりで、現在、研究に向けて、化石に付いた余分な岩石などを取り除く作業が進んでいる。

 小池さんは「化石研究はロマンばかりではない。雨の日も山にこもって収集し、毎日、顕微鏡をのぞく地味な作業」とした上で、「小さな化石こそ、古代の信州を教えてくれる。多くの人に興味を持ってほしい」と語る。

 企画展は3月27日まで。大人500円、高校生300円。3月21日を除く月曜休館。同22日も休館。3月19日午後1時から、小池さんによる展示解説がある。

写真説明:小池さん(奥左)が集めた化石約200点が並ぶ企画展会場

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