伊那の恩人、清酒名に 明治期の治水家・御子柴艶三郎

2015/12/25 10:11
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 伊那市荒井の酒造会社「宮島酒店」は、地元の治水家御子柴艶三郎(つやさぶろう)(1852〜99年)にちなみ、清酒「艶三郎」を造った。艶三郎が掘った井戸を水源とする用水の水で、上伊那農協の御子柴茂樹組合長(65)=荒井=が低農薬栽培した酒造好適米「ひとごこち」を使用。地元にこだわり、地元の「大恩人」の名を冠した。

 宮島敏社長(53)によると、艶三郎は水不足だった明治期、神に命をささげる約束をし、私財を投じて荒井地区に井戸を堀った後、約束通り自害した。荒井の水田に農業用水を安定供給し、コメ作りの基礎を築いた人物として、地元の伊那小学校の児童らは社会科の授業で艶三郎について学ぶ。

 御子柴組合長によると、ひとごこちは「横井清水」水系の水田で栽培しており、「地区にこだわっている」。自身の祖父も艶三郎の井戸を掘る作業に加わっていたという。

 同社が荒井産の米で酒を造ったのは初めて。純米無ろ過の生原酒で、ふっくらとした甘みがあり、フレッシュな香りという。宮島さんは23日、艶三郎が掘った井戸に「艶三郎」を供え、完成を報告した。1・8リットル瓶2160円、720ミリリットル瓶1080円。問い合わせは同店(電話0265・78・3008)へ。

写真説明:地元の「大恩人」という治水家の名を冠した「艶三郎」を手にする宮島社長

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