武井直也、輝く創作の軌跡 出身地・岡谷で企画展

2015/10/22 10:19
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 岡谷市西堀出身の彫刻家武井直也(1893〜1940年)の軌跡をたどる企画展が、同市中央町の市立岡谷美術考古館で開かれている。新進気鋭の作家として注目されながら47歳の若さで亡くなって75年。同館が11月に迎える開館2周年を記念し、「武井の功績を見つめ直す機会に」と企画した。約60年ぶりの公開となる初期作品を含め、晩年までの23点が並ぶ。

 武井は養蚕農家に生まれ、東京美術学校(現東京芸大)に進学し、彫刻を専攻した。学生だった25歳の時、母校の同市小井川小学校の男性教師をモデルに作った胸像「F先生」を日本美術院展に初出品し、入選した。31〜34歳の時に渡仏し、創作を続けた。帰国後は彫刻の原点回帰を願い、日本彫刻家協会の設立にも関わった。

 企画展で並ぶ「F先生」は神奈川県の個人が所有しており、公開は1957(昭和32)年に都内で展示されて以来となる。高さ46センチで、威厳のある表情をしている。ふくよかな女性の曲線美が武井の特徴とされ、フランス時代に励んだ女性の頭像もある。代表作とされ、美術考古館が所蔵する晩年の大理石像「黎明(れいめい)」も、同館が現在の場所に移転して以来初めて展示される。

 都内の遺族が保管する手紙も紹介。24(大正13)年に武井を日本美術院院友と認めた通知には、同時に認められた原村出身の彫刻家清水多嘉示(たかし)(1897〜1981年)の名がある。武井の渡仏を祝い、牛鍋会の開催を知らせる手紙も飾った。学芸員の鮎沢諭志さん(39)は「47歳の短い生涯の中でも作風の変化を読み取ってほしい」と話す。

 11月30日まで。近代日本彫刻研究家の井上由理さんが3日午後1時半から作品を解説する。21日午前10時から、市役所庁舎(幸町)前にある武井の彫刻を清掃する催しもある。水曜休み。一般500円、小中学生250円。問い合わせは岡谷美術考古館(電話0266・22・5854)へ。

写真説明:武井直也の初期の彫刻「F先生」(右)も並ぶ企画展

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