戦時中、人形劇の姿は 飯田で5日から企画展

2015/08/05 10:13
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 飯田市で開幕した「いいだ人形劇フェスタ2015」で5日、戦後70年に合わせた企画展「戦争と人形劇、その時代―戦後70年に人形劇はどう向かい合えるのか」が同市のNPO法人いいだ人形劇センターで始まる。大津市の「人形劇の図書館」の館長潟見英明(かたみえいめい)さん(66)が企画。戦時中、人形劇が国策によって戦意高揚に利用された歴史を示す資料を並べ、「人形が自由にものを言える社会を守っていく必要がある」と訴える。

 同図書館は、現代人形劇を中心に約1万冊を所蔵する専門図書館。潟見さんによると、1941(昭和16)年、大政翼賛会宣伝部がナチスの人形劇利用を参考に「人形劇研究委員会」を組織し、以降、国策で人形劇を勧める出版物が刊行された。

 41年発行の「翼賛人形劇教程」では、大政翼賛会宣伝部長が「手袋式の指人形は、製作も操作も洵(まこと)に簡易であり、いかなる僻陬(へきすう)の地においても容易に手造りをすることができる」と説明。筆者の故・松葉重庸(しげつね)さんは、紙芝居やラジオと比べ「人形劇はなんと言っても劇的な演技力をもっている」と記した。42年刊行の脚本集は「翼賛一家」と題した脚本を収録。家族が「兵隊さんありがとう」と歌いながら、慰問袋に軍人への感謝の思いを詰め込むシナリオだ。

 ただ、潟見さんは、現代人形劇は昭和初期にはあまり普及しておらず、宣伝効果は薄かったとみる。戦後、学生や社会人の間で人形劇が一大ブームとなった頃を示す写真集も展示。人形を操る若者の表情は生き生きしており、「人形劇はファンタジーの世界。政治や権力とは相いれない。民の文化だ」としている。

 8日午後2時から、飯田信用金庫本店で潟見さんら人形劇関係者ら3人によるパネルディスカッション「戦後70年人形劇はどう歩んできたのか」が開かれる。展示は9月8日まで。無料。問い合わせは同センター(電話050・3583・3594)へ

写真説明:大政翼賛会による人形劇の出版物などを展示している企画展

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