吉向焼と須坂藩、節目の年 地元の宝100点展示

2015/07/30 10:28
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 須坂市立博物館は、企画展「吉向焼(きっこうやき)展ふるさとに息づく江戸期の雅陶」を開いている。今年は同市での吉向焼開窯(かいよう)から170年、吉向焼の名陶工吉向治兵衛(じへえ)(吉向行阿(ぎょうあ)、1784〜1861年)を招いた須坂藩の開藩から400年に当たることから企画。同市穀町の田中本家博物館や市民約20人から借り受け、市指定文化財を含む約100点を展示している。

 同市での吉向焼は、吉向治兵衛が1845(弘化2)年から53年までの8年間、鎌田山に設けた窯場「紅翠軒(こうすいけん)」で作られた。当時の須坂藩11代藩主の堀直格(なおただ)(1806〜80年)が、産業振興政策の一つとして治兵衛を江戸から呼んだ。制作期間が短いため、同市の吉向焼は貴重とされている。

 企画展は、治兵衛の人柄や須坂に来た経緯などをパネルで紹介しながら吉向焼を紹介している。市指定文化財の「染付松文瓶子(そめつけまつもんへいし)」は側面に「弘化2年 初窯出来(はつがまでき)」とあり、同博物館は「この作品が紅翠軒での初窯作品と推測できる」とする。治兵衛が須坂を去った後に弟子たちが作った「須坂焼」など、吉向焼に関連する焼き物も紹介している。

 同博物館が吉向焼をテーマにした企画展を開くのは1995年以来、20年ぶり。2018年は須坂藩13代藩主で文化活動にも熱心だった堀直虎(1836〜68年)の没後150年に当たり、同館は「吉向焼と須坂藩との関わりをあらためて知ってもらい、須坂の文化を感じてほしい」としている。

 企画展は9月23日まで。月曜休館。高校生以上300円(中学生以下無料)。8月2日午後2時から、須坂市中央公民館で吉向焼について学ぶ講演会を開く。参加無料。

写真説明:須坂市指定文化財「染付松文瓶子」(手前の二つ)など市内に残る吉向焼約100点が並ぶ企画展

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