92歳臼田さん、初の絵画展 佐久で6日から「元気発信」

2015/06/05 11:27
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 92歳で水彩画に取り組んでいる佐久市取出町の臼田泰雄さんが6日から、初の個展を同市の野沢会館で開く。旧制野沢中学校(現・野沢北高校)で美術班に所属したが、卒業後は兵役や会社経営で絵から遠ざかっていた。現役を退いて自分に合う趣味を探す中で84歳で再び出合った絵に、「今は夢中」と臼田さん。絵画仲間たちが協力して「卒寿の活躍元気発信の絵画展」を企画し、約8年間に描いた約140点の中から70点を選んで並べる。

 臼田さんは旧制中学時代、教員で洋画家の荻原孝一さん(1909〜79年)に指導を受け、勤労奉仕のわずかな合間を縫って静物画や風景画を描いたという。卒業後、役場勤務を経て旧陸軍松本五十連隊に入隊。現在のベトナムで敗戦を迎え、帰国。祖父が設立した印刷会社を継いだ。「とにかく忙しくて、絵を描こうなんて思いもしなかった」

 60代後半で社長を退き、農業を始めたが、うまくいかない。自分に合う趣味を探していた時、長野市の水彩画家、西沢今朝夷(けさい)さんの作品を見て感動。中学時代の思い出とも重なり、西沢さんに指導を受けようと決意した。84歳の時だ。週1回、西沢さんが講師を務める長野市の絵画教室に、高速バスで1時間半かけて通った。翌年、地元の「野沢水彩画教室」「中込スケッチ・水彩画教室」「佐久市民写生会」にも入会した。

 西沢さんの教室では、スケッチの方法や絵の具の使い方などを一から学んだ。思った色が出せず悩んだ時は西沢さんに助言を求め、長野市戸隠や上田城跡(上田市)、八ケ岳などの写生にも出掛けた。しかし、西沢さんは5年後に体調を崩し、昨年亡くなった。

 「先生に見せれば足りない点を教えてくれたが、自分で解決しなければならなくなった」。色がうまく出せないと、画用紙に水を付けて最初からやり直す。一つの作品に10時間以上を費やすことも。「夢中でやっていると、思いがけずに良い色が出ることもある。その繰り返しです」

 絵を描くようになって、何げない風景にも目を凝らすようになった。「普段なら見過ごしてしまいそうな川の色の変化などを切り取ることができる」と、絵筆を執ることが楽しくて仕方がない様子だ。

 個展は9日までの午前9時(6日は午後1時)〜午後6時(9日は午後4時)。入場無料。教室仲間の作品19点も展示する。

写真説明:自信作という「佐久市太田部の千曲川」の前で笑顔を見せる臼田さん

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