独創アート、地域を彩る 飯田で協力隊員ら3人の展覧会

2015/05/21 11:17
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 下伊那郡売木村の地域おこし協力隊員で、現代美術に取り組んでいる西山彩音さん(28)と平井庄子さん(27)、同郡阿南町の外国語指導助手で塑像を作るビクトリア・ウェイプレスさん(23)による展覧会「アートコラボレーションin下伊那」が21日、飯田市上郷黒田の喫茶ギャラリー「アートハウス」で始まる。大学や大学院で美術を専攻した3人が縁あって飯田下伊那地方に住み、創作する。美術を通じた地域づくりにも期待が高まる。

 西山さんと平井さんは、4月に売木村の地域おこし協力隊員に着任した。西山さんは岡山県出身で、高校時代から単身オーストラリアに渡り、卒業後はお金をためてイタリアで油絵を勉強。帰国して東京芸大(東京)の美術学部に進学、現代美術や陶芸に取り組んだ。卒業後は作陶に合う土がある地域に住もうと探している際、同村を知った。

 同村はこれまで、マラソンランナーを協力隊員として採用し「走る村」として発信するなど、独自の村づくりを展開。清水秀樹村長は「売木には使われていない陶芸窯があった。これからは文化面でも地域おこしをしたい」と採用理由を話す。西山さんは、同大大学院修了で現代美術を通じて親しい平井さんにも声を掛けた。平井さんも村の歴史や自然にひかれ「芸大を出た自分は役に立たないと思ったこともあった。村の人に喜んでもらえてうれしい」と話す。

 会場では、平井さんによるインスタレーション(設営芸術)が視界に飛び込む。自然の循環を表現した映像が、透けた布に映し出される。クリスタル・ガラスに反射した光が壁に揺れ、足元には売木村で拾ったシカの角、イノシシの骨が置かれ存在感を放つ。

 西山さんは、過疎が進む徳島県那賀町の土で作った湯飲みを展示した。「人との関係性の中で広がりをもつ作品を作りたい」と話す。今後は村の陶芸窯を使い住民と陶芸に取り組む考え。米・ニューヨーク出身のウェイプレスさんの作品は、粘土やろうそくを使い祈りの場のような雰囲気。唇や歯など人間の顔がかたどられ、躍動感ある作品だ。

 展覧会を企画したのは、売木村や阿南町など飯伊地方の4中学校で美術講師を務める山内孝一さん(55)=同郡阿智村=だ。「3人それぞれの表現意欲や主体性に驚いた」と話す。展示は26日まで。無料。問い合わせはアートハウス(電話0265・24・5811)へ。

写真説明:3人の作品が並ぶ飯田市の喫茶ギャラリー「アートハウス」

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