松代焼の歴史や魅力紹介 松本で古川さん寄贈の116点

2015/05/16 11:57
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 松本市立博物館で、企画展「松代焼―北信濃が生んだ至宝」が開かれている。松代焼が昨年、「県伝統的工芸品」に指定されたのを機に、歴史や魅力、復興に貢献した松本市出身の理容業古川元三郎さん(1910〜2001年)の功績を見直そうと、古川さん寄贈の全116点を40年ぶりに展示。釉薬(ゆうやく)が流れるように垂れて緑に発色した代表的な品のほか、茶や深い灰色の器など松代焼の多様さが伝わる作品が並ぶ。

 同館によると、松代焼は江戸後期に松代藩の殖産政策で始まり、約120年続いたが、昭和20年代に途絶え、古川さんらが20年ほど後に復興した。鉄分が多い褐色の陶土と、長野市安茂里の白土やわらなどを含む釉薬が反応して豊かな色を出すという。「色彩や形がバラエティーに富む。時代ごとに流行を取り入れてきたはず」と学芸員の草間厚伸(あつのぶ)さん(31)。幾重にも色が重なるかめ、白い糸を張り巡らしたような模様のとっくりなどを展示している。

 古川さんは松代で本業の傍ら、古文書などで松代焼を研究して収集、作陶した。途絶える前の姿を再現し、開窯や普及に尽力。草間さんは「他地域出身だからこそ松代焼の良さを再発見できたのではないか。復興に全力をささげていた」と評価する。鑑賞した埼玉県の高瀬照子さん(56)は「昔の人が心豊かに生活していたのが伝わる」と種類の豊富さに驚いていた。

 31日まで、午前8時半〜午後5時。大人200円、小中学生100円。16日午前10時半から、松本市の俳人降旗牛朗さんと草間さんの対談がある。問い合わせは同館(電話0263・34・0133)へ。

写真説明:釉薬が緑や白に発色したかめなどが並ぶ展示室

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