佐久の酒造会社 300年の歴史紹介展示室開設へ

2015/05/06 10:09
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 佐久市臼田の橘倉酒造は23日、事務所2階の一角を改装し、約300年続いてきたという同酒造の歴史などを紹介する展示室を開設する。農民から集めたコメを幕府に納めながら、酒を造ってきた酒蔵は、地域の政治経済の要だった―との視点から、当時の生活が垣間見えるような展示を目指す。

 展示室にするのは、それまで資料置き場になっていた約40畳の部屋。社長の井出民生さん(68)によると、同酒造は江戸時代に地域の取りまとめ役のような役割も担っており、当時の文書が今も大量に残されている。元禄9(1696)年の臼田村家別帳で既に酒を造っていることを示す記述があるほか、享保5(1720)年の文書では酒造りに使えるコメの量を増やすことを許可されたのが分かる。ほかに年貢の減免を求めたり、凶作で餓死者が多数出た様子などを記したりした文書もあるという。

 明治以降の代々の当主は、自由民権運動に関心を寄せたり、旧臼田町長や県議になったりもした。展示室の開設記念には、井出さんの父で官房長官を務めた一太郎さん(故人)らが集めた、伊藤博文、福沢諭吉、渋沢栄一といった政治家や文化人、実業家らの書を並べる予定だ。

 5月以降は月1回の開設日を設け、見学の連絡があった場合に井出さんが展示物を紹介する予定。問い合わせは橘倉酒造(電話0267・82・2006)へ。

写真説明:展示室に飾られた古文書を見る井出さん

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