伊那「中尾歌舞伎」29日公演 亡き「師匠」直伝の芸

2015/04/28 10:38
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 伊那市長谷の中尾地区に江戸時代から伝わる市無形民俗文化財「中尾歌舞伎」の春季公演が29日、2年ぶりに中尾座で開かれる。昨年は指導役だった西村清典(きよのり)さんが3月に95歳で亡くなり、春公演は見送られた。今回の演目は、西村さんが力を入れ、昨春に予定していた約1時間半の大作。「師匠」から受け継いだ地歌舞伎を伝えようと、役者や浄瑠璃、着付け、化粧、裏方など約30人で舞台をつくり上げる。

 演目は源平合戦を題材にした「一谷嫩軍記熊谷(いちのたにふたばぐんきくまがい)陣屋の段」で、上演は5年ぶり。源氏の武将熊谷直実(なおざね)が平敦盛の命を助け、身代わりにわが子、小次郎の首を大将の源義経に差し出すという粗筋だ。小次郎の母相模が、差し出された首が息子のものと知る場面が見どころという。

 本格的な稽古は1月中旬から。週2回ほど、夜に集まった。保存会長の西村寿(ひさし)さん(57)は「何としてもこの演目をやりたいと思っていた。師匠から受け継いだ中尾歌舞伎を何らかの形でつなげていきたい。地歌舞伎に興味をもってもらえれば」と語る。

 義経を演じる市職員の唐木学さん(48)は今回が初出演。「義経は気品があるが、大将の威圧感も必要。雰囲気を出すため、なるべく高い声でせりふを読むようにしている」と話していた。

 午後1時半開演。入場無料。問い合わせは市長谷総合支所の中村徳彦さん(電話0265・98・3130)へ。

写真説明:中尾座で保存会の法被を着て稽古する会員たち

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