夢二の多彩な世界味わって 伊那・信州高遠美術館

2015/04/06 10:35
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 伊那市高遠町の信州高遠美術館で5日、「竹久夢二展大正ロマン―グラフィックデザイナーの原点」が始まった。肉筆画、版画や資料など約200点を展示。1923(大正12)年の関東大震災直後に東京の下町を描いた画文の複写もあり、美人画にとどまらない夢二の世界を伝えている。

 大きくて潤んだような瞳、やるせない表情、細身のたおやかな姿などが特徴という美人画は、雑誌「婦人グラフ」を飾った作品などを紹介。童画、楽譜の装画、装丁本、夢二が撮った写真も並ぶ。

 震災後のスケッチは、地面に座ってたばこを売る娘、月を見る親子らしき後ろ姿など21点。「大自然の意図を誰が知っていたろう。自然は文化を一朝一揺りにして、一瞬にして、太古を取り返した」「バラック生活の中でも、望月の供物を忘れない人がある」といった文も読ませる。

 夢二は34(昭和9)年、諏訪郡富士見町の療養所で49歳で死去した。その前年に生まれた孫、みなみさん(81)=東京=がこの日、開幕式に出席。夢二作詞の「宵待草」などを歌った地元の「アルプス男声合唱団」の歌声と、初めて見たというタカトオコヒガンザクラに「うれしいことが重なった」と喜んだ。関東大震災の画文は東日本大震災後に都内で開いた展示会で多くの観客を集めたといい、「美人画とは違った夢二の一面を見てほしい」と話していた。

 5月24日まで。同7、12、19日休館。一般800円、小中学生250円。

写真説明:竹久夢二の絵が表紙になった本も並ぶ

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