半世紀前に出土「柿経」初展示 上田・丸子郷土博物館

2015/03/27 11:26
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 上田市東内の市立丸子郷土博物館は、同市腰越の国史跡鳥羽山(とばやま)洞窟で1966(昭和41)年からの調査で見つかった「柿経(こけらきょう)」(経典などを写した薄い木片)を、初めて展示している。同博物館によると、発見例は全国でも50件余しかなく、県内では例がないとみられる。「初公開した貴重な史料をぜひ見てほしい」と呼び掛けている。

 鳥羽山洞窟は古墳時代の葬所跡で、死体を埋葬せずにさらしたまま白骨化させる「曝葬(ばくそう)」が行われていたとされる。発掘調査では土師器(はじき)や須恵器(すえき)、馬具などが出土。同時に見つかった柿経は長年、存在が忘れられていた。昨年博物館の所蔵史料を確認した際、約半世紀ぶりに再発見された。

 柿経は、幅1センチ弱、厚さ1ミリ弱の薄い木の板で、長さは5、6センチから20センチほどまである。室町時代から江戸初期までに書かれたとみられる。展示には、文字が比較的読みやすい26本を選んだ。例え話で教えを説いた「法華経譬喩品(ひゆほん)」が墨書してあり、「非己智分」などの文字が読み取れる。筆跡から3、4人ほどの書き手がいたようだ。

 鳥羽山洞窟近くの龍福寺には平安時代、慈覚大師円仁が訪れた際、1本の大きな柳の木から3体の観音像を彫ったという「一柳三体観音」の伝説がある。博物館は「鳥羽山は昔から神聖な霊山だった。そのため柿経も納められたのではないか」としている。

 展示は31日までの午前8時半〜午後5時。月曜休館。高校生以上100円。問い合わせは上田市立丸子郷土博物館(電話0268・42・2158)へ。

写真説明:半世紀近くしまってあった「柿経」(手前)が並ぶ展示(写真上)。展示されている「柿経」の一部

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