
スタンドで旗を振って応援する私設応援団「RED SEROWS」の永井敏喜さんら=22日、上田市の県営上田球場
二十八日開幕の北信越BC(ベースボール・チャレンジ)リーグ。試合を支えたり、長野県民球団「信濃グランセローズ」を応援したりする県内の人たちも準備が進む。私設応援団、審判員、公式記録員…。夢を追う選手の舞台を整え、地域活性化にも一役買おうと、張り切っている。
<高3が設立 10人で出発>
「あと一人、あと一人」。県営上田球場(上田市)で22日に行われたオープン戦。9回表、7対1でリードして勝利を目前に守る信濃グランセローズの選手にスタンドから大声援が起きた。中心にいたのは、私設応援団「RED SEROWS(レッド・セローズ)」のメンバーだ。
長野市篠ノ井の高校3年生、永井敏喜さん(18)がつくった。プロ野球千葉ロッテマリーンズのファンで、自身の応援サイトの掲示板に「信濃グランセローズを応援する」と書き込むと、数人から「応援団をつくろう」と返答があった。現在、団員は最年少の永井さんから40代まで約10人いる。
22日は、選手名を書いたネームプレートを打席ごとに掲げ、手拍子に合わせて声援。得点が入ると「木田主義81」と書いた旗を掲げて盛り上げた。序盤は団員3人だけでスタンドの隅で応援していたが、内野席にいた後援会のメンバーから「こっちで一緒にやろう」と誘われ、先導役を果たした。
富山県魚津市で23日にあった最終オープン戦のスタンドには、須坂市臥竜の僧侶、水野孝仁さん(29)がチームカラーの赤いTシャツを着て1人で応援した。水野さんは永井さんの呼びかけに応じた1人。「信濃の国」のメロディーに選手ごとに歌詞をつけた応援歌を披露。小太鼓を打って大声を張り上げた。
「県全体を盛り上げたい」と水野さん。開幕戦は永井さんらと一緒に応援する予定だ。応援団は「スタイルは手拍子が基本。団員以外も気軽に加わってほしい。できれば赤いTシャツなどを着て来場を」と呼びかける。
永井さんは「選手との距離が近いことが魅力。野球が新しい形で地域で盛り上がれば、県外の人も長野に興味も向けるはず」と期待している。
<審判員 地元も協力>
公式戦は、四国アイランドリーグでの審判や審判トレーニングなどをするNPO法人「アンパイア ディベロプメント コーポレーション」(UDC、東京)が担う。
専属審判員は5人。新潟県に1人、石川県と富山県に2人ずつが常駐し、各県の球団の試合に同行し、4人でグラウンドに立つ。ただ、新潟県と長野県での試合は審判が足りず、両県の中学生硬式野球「リトルシニア信越連盟」が協力する。
同連盟審判部のメンバーが「自分たちのレベルアップにもなる」とグラウンドに立つ。
22日のオープン戦で球審を務めた上高井郡高山村の会社員、吉田博文さん(58)は「アマとプロでストライクゾーンに若干の違いはあるが、球威も制球力もある投手が多く楽しみ」。開幕戦でUDCと審判を務める伊那市の会社員、永田克則さん(52)は「球と動きのスピードに早く慣れ、フェアな試合をつくりたい」と意欲を見せる。
<記録員 男女13人>
試合で安打や失策を瞬時に判断し、スコアボードに掲示する。試合経過をスコアブックに記し、選手ごとの記録を集計、保存したり、結果を報道各社に提供したりもする。長野県民球団によると、県内で開く36試合は県内在住の男女13人が2人ずつ担当する。
22日の信濃のオープン戦では、12人が会場の県営上田球場(上田市)に集まり、元パリーグ記録部長の千葉功さん(71)を講師に記録をつける練習をした。
36試合すべてに携わる予定の会社員、元田雅之さん(39)=長野市松代町=は、高校野球の記録員を18年間務めた。BCリーグの趣旨に賛同し、応募を決意。掛け持ち禁止の規定に「苦渋の選択」をして、県高野連の所属を外れた。
元田さんは「安打と失策の判断は高校野球よりも厳しくなるが、基本的に変わらない。経験を生かして力になりたい」と話している。