激変 県内政治(4)=連立協議進める社民・国民新 政権内、存在示せるか
2009年9月 5日掲載

 東京・永田町の社民党本部で2日に開かれた党全国代表者会議。衆院選後の対応を話し合った会合の終了後、長野県連の山口わか子代表と布目裕喜雄副代表が福島瑞穂党首に近づき、1枚の文書を手渡した。前夜、県連三役がまとめた「連立政権協議に関する意見」。福島党首は「分かりました」と受け取った。

 意見は「憲法改正論議の凍結」「衆院比例定数は削減せず、多様な民意を反映できる選挙制度への見直し」で合意することを、連立参加の条件とするよう求める内容。「政権与党として党の主張を実現していくことが、有権者の期待に応えることだ」と山口代表は説明する。

 社民党には、政権入りをめぐる苦い過去がある。1994年に発足したいわゆる「自社さ政権」で、前身の社会党の委員長だった村山富市氏が首相に就任。自衛隊を合憲と認めるなど党の基本政策を大転換したが、結果的に党勢の衰退を招いたとされる。

 党県連は今衆院選で、比例北陸信越ブロックでの議席獲得を目標に、2区、5区に新人を擁立。県内比例で10万票の得票を目指したが、前回を約1万3千票下回る7万5千票余にとどまった。県連や支持労組には、党勢が伸び悩む中で再び訪れた「政権入り」に期待と不安が入り交じる。

 投開票から一夜明けた8月31日、長野市の県労働会館。「新しい政権の中で、党の存在価値をしっかりと示していく」。支援のお礼に訪れた山口代表のあいさつに、支持労組の幹部は「連立を組むことが、党にとって吉と出るか、凶と出るか」と漏らした。

     ◇

 比例代表北陸信越ブロックで、改選前の1議席を失った国民新党。比例単独で臨んだ党代表の綿貫民輔氏は落選し、党最高顧問に退いた。「郵政民営化見直しの象徴だった。痛手は大きい」。自身も比例単独2位で出馬、落選した元郵便局長の反り目弘国氏(長野市)は、今後の党運営への不安を口にした。

 かつて自民党の集票組織だった特定郵便局長OBらでつくる「大樹(だいじゅ)」に、民営化で公務員の制限がなくなった現役郵便局長らが加わった政治団体「郵政政策研究会」(郵政研)。国民新党は郵政研の全面支援を受け、組織型選挙を展開した。だが、有権者の民主党への流れを引き込めず、同ブロックの総得票は24万票余と、前回選を約6万票も下回った。

 反り目氏は「一般有権者には、郵政民営化見直しばかりで他の政策に広がりを欠くと受け取られた」と分析。国民新党は全国でも1議席減の3議席にとどまり、新代表には亀井静香氏が就任した。

 選挙後、組織として衆院選を総括し、今後の活動方針を固める-といった場はないまま、中央では民主、社民、国民新の3党間で連立政権樹立に向けた協議が進む。日本郵政グループ3社の株式売却凍結、郵政事業の4分社化見直しといった民主との事前の合意事項はどれだけ反映されるのか-。

 「民営化見直しの道筋が示されなければ郵政関係者の不満は募る。目的が達成されたとしても、少数の国民新党の政権内での存在感はどうなるのか」と反り目氏。政権参画の先の展望は、まだ描けない。   (おわり)

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【写真説明】連立政権協議に関する意見を福島党首に渡す山口・長野県連代表(中央)ら=2日、社民党本部(写真左)。片付けが進む国民新党の長野市内の選挙事務所。北陸信越での議席はなくなった=3日、長野市


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