「国民生活にしわ寄せがないよう、新政権をしっかりチェックし、もの申していく」。衆院選から4日後の3日早朝、長野市のJR長野駅前。太田昌孝・公明党県本部代表は市議らと街頭に立ち、出直しを誓った。
自民党と連立を組んで約10年。児童手当の拡充など、与党の実績を訴えて各種選挙で安定した戦いを続け、2005年の前回衆院選では比例の県内票として過去最高の13万6千票余を獲得した。
だが今衆院選では、比例北陸信越ブロック(定数11)で1議席は維持したものの、比例県内票は前回選から2割近く減少。1998年の党再結成後で最低となる11万1千票余にとどまり、2000年衆院選以来、9年ぶりに共産党の得票を下回った。
与党への逆風の中、政権交代しても自民、民主の勢力が拮抗(きっこう)すれば、政局で存在感を示すことができる-との思惑も公明党内にはあった。だが、民主の圧勝でその目算も外れる格好となった。
今後、国政や地方選挙での「自公協力」がどうなるのかも、現時点では不透明だ。
信濃毎日新聞の出口調査では、今衆院選で公明支持層の79%が小選挙区で自民候補に投票した。一方、自民支持層が比例で公明に投票したのはわずか3%。党県本部幹部は「余力のない自民にもともと多くは望めなかった」と振り返る。
太田代表は「自民との信頼関係は続く。民主に擦り寄ることはあり得ない」とする一方、「新政権には是々非々で臨むことになるだろう」とも指摘。野党としての党の針路はまだ定まっていない。
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1日朝の長野駅前。長野1区と比例北陸信越ブロックの共産党名簿単独1位に重複立候補、落選した山口典久氏の姿があった。「達成できなかった比例北陸信越での議席回復へ、党としてきょうから頑張りたい」。決意をアピールし、通勤客らに手を振った。
失業者らが列をなした「年越し派遣村」を支援し、「ワーキングプア」に象徴される格差社会の是正を訴えてきた同党。劣悪な環境で働く労働者が団結する姿を描いた「蟹工船」がブームを呼び、若い世代の入党者も増加したという。追い風が吹いているかに見えた共産党だが、衆院選での同党の県内比例得票は、前回選を5千票弱下回る12万2千票余。目標だった16万5千票には届かなかった。
選挙結果について党県委員会は「有権者が自公政治に退陣を突き付け、全国では9議席を維持できた。今後への足掛かりになった」(今井誠委員長)と指摘。一方で、政権交代そのものに関心が集中し、自公政権の批判票の受け皿になりきれなかった-との見方も示す。
自民が大敗した7月の都議選後、党は「政権交代の流れが明確になった」と主張、衆院選では各立候補者が、民主党中心の政権に是々非々で対応する「建設的野党」の立場を強調した。だが、県内のある党支持者からは「これまで掲げていた『たしかな野党』とはどう違うのか」と戸惑いの声も漏れた。
二大政党がせめぎ合う政治状況が続く中で、「建設的野党」の具体的な姿を示し、求心力を高めていくことができるのか。政権交代後の存在感が問われることになる。

【写真説明】党所属の長野市議らと総選挙の総括をする太田昌孝・公明党県本部代表(左から2人目)=3日、長野市(写真左)。通勤客らに支持を訴える共産党の山口典久氏(中央)ら=1日、長野駅前